2016 Fiscal Year Research-status Report
無自覚的動機付けの皮質脊髄路興奮性と運動行動に与える持続的効果
Project/Area Number |
15K01507
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宝田 雄大 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (70367093)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | unconscious will / motivation / effort / human force exertion / motor system / unconscious attention / implicit learning |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、経頭蓋的磁気刺激法(TMS)を用いて、単発の一次運動野刺激(M1)の誘発筋電図(MEP)を取得し、無自覚的動機付けが皮質脊髄路興奮性と運動行動に与える持続的影響を調べることである。初年度の2015年度では、Ⅰ.9段階尺度を用いた呈示語彙選定、Ⅱ.語彙呈示方法を含めた呈示システム確立、Ⅲ.語彙呈示中のMI刺激によるMEPの安定的取得法を含めたTMSシステム確立、Ⅳ.無自覚的動機付けの運動皮質と運動行動に与える潜在学習効果の検証(a)を行った。 その結果、確立された実験システムを用いて、(少ない被験者数ではあるが)無自覚的動機付けが運動皮質のみならず、瞳孔に関連したノルアドレナリン系活性化を伴って運動行動を増強させることが示唆された。その一方で、計画当初、予定になかった瞳孔径計測が(試験的に)加わったことで、データ取得中のノイズの増大等データ取得に関する問題と準備時間増加による被験者への負担増大などの問題が発生した。 2016年度では、これらのTMSによるMEP取得と瞳孔径同時測定時のノイズと被験者への負担軽減等のために、実験系の再点検と改善等をおこなった。具体的には、①視覚刺激とTMS装置の同期と自動化②検査装置からのノイズ低減③ケーブル類のダブルシールド化④装置配置の再検討などが挙げられる。その結果、MEP取得に十分なノイズの低減と準備時間の大幅な短縮が実現された。データ解析については、MEP(サンプリング周波数4kHz)の解析プログラムと瞳孔径データのフィルタ処理(瞬きなどの異常値データ除去)プログラムを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画通り、Ⅳ.無自覚的動機付けの運動皮質と運動行動に与える潜在学習効果の検証(a)の段かいに移り実験を進めた結果、(少ない被験者数ではあるが)無自覚的動機付けが運動皮質のみならず、瞳孔に関連したノルアドレナリン系活性化を伴って運動行動を増強させることが示唆された。その一方で、計画当初、予定になかった瞳孔径計測が(試験的に)加わったことで、データ取得中のノイズの増大等データ取得に関する問題と準備時間増加による被験者への負担増大など様々な問題に直面した。次年度の2016年度では、これらのTMSによるMEPと瞳孔径検査時のノイズ軽減と被験者への負担軽減等のために、実験系の再構築をおこなわなければならなかった。具体的には、①視覚刺激とTMS装置の同期と自動化②検査装置のノイズ遮断③ケーブル類のダブルシールド化④装置配置の再検討などが挙げられる。その結果、MEP取得に十分なノイズの低減と準備時間の大幅な短縮が実現された。またデータ解析については、MEP(サンプリング周波数4kHz)の解析プログラムの修正と瞳孔径データのフィルタ処理(瞬きなどの異常値データ除去)プログラムの作成が必要であった。以上が、現況の主な理由となる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで計画通り、本研究に必要な実験システムの構築と(a)無自覚的動機付けの運動皮質と運動行動に与える潜在学習効果について調べ進展しているが、その一方で、先述した通り、問題点も見いだされそれらの改善に傾注してきた。最終年度は被験者を増やし、(a)無自覚的動機付けの運動皮質と運動行動に与える潜在学習効果に焦点を絞り、質の高い実験結果が得られるよう進展させていきたい。
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Research Products
(4 results)