2017 Fiscal Year Annual Research Report
Long-term effects of barely conscious reward goal-priming on motor system state and motor action
Project/Area Number |
15K01507
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宝田 雄大 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (70367093)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | unconscious will / motivation / human force exertion / motor system / pupil dilation / implicit learning / effort / TMS |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、経頭蓋的磁気刺激法(TMS)を用いて、単発の一次運動野刺激(M1)の誘発筋電図(MEP)を取得し、無自覚的動機づけが皮質脊髄路興奮性と運動行動に与える持続的影響を調べることである。 初年度の2015年度では、Ⅰ.9段階尺度を用いた呈示語彙選定、Ⅱ.語彙呈示システム確立、Ⅲ.語彙呈示中のM1刺激によるMEP取得等のTMSシステム確立、Ⅳ.無自覚的動機づけの運動皮質と運動行動に与える潜在学習効果の検証(a)を行った。その結果、確立されたTMSシステムを用いて、(少ない被験者数ではあるが)無自覚的動機づけが運動系のみならず、瞳孔関連神経調節系の活性化を伴って運動行動を増強させることが示唆された。一方で、計画当初、予定になかった瞳孔径計測が(試験的に)加わったことで、データ取得中のノイズ増大等データ取得に関する問題と準備時間増加による被験者への負担増大など様々な問題に直面した。 次年度の2016年度では、これらのTMSによるMEPと瞳孔径検査時のノイズ軽減と被験者への負担軽減等のために、実験系の再整備再構築をおこない、MEP取得に十分なノイズ低減と準備時間の大幅な短縮が実現された。他方、無自覚的動機づけ運動システム増強作用機序に視点を移せば、予備実験で瞳孔関連神経調節系関与の可能性が示されたことは意義深い。そこで、無自覚的動機づけの運動系と瞳孔神経調節系に与える影響についてさらに調べることにした。その結果、無自覚的動機づけは運動系のみならず、瞳孔神経調節系をも活性化させ、結果的に運動行動を増強させることが明らかとなった (Takarada & Nozaki, Neuropsychologia, 2017)。しかし、青斑核のノルアドレナリン作動性神経活動だけが瞳孔拡張に影響しているか否か(PGi或は上丘の影響の可能性?)は今後の研究成果を待たなければならない。
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