2015 Fiscal Year Research-status Report
海洋自然体験への継続的参加によるライフスキル獲得に関する基礎的研究
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15K01516
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
千足 耕一 東京海洋大学, その他部局等, 教授 (70289817)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 海洋自然体験 / ライフスキル |
Outline of Annual Research Achievements |
はじめに、スポーツ経験や体験活動によるライフスキル獲得に関連する研究を対象にデータベースとしてCiNiiを用いデータベース検索を実施した。ライフスキルを評価するための尺度の開発がいくつか行われていた(島本ら:2006年・2013年,杉山ら:2010年,ほか)。実証的な研究としては、上野らによって開発されたライフスキル尺度を用いて中学校の部活動における生徒のライフスキルを検討した研究、島本らの開発した日常生活スキル尺度を援用して大学生のライフスキルとスポーツ経験の関係を検討した研究、大学期における課外活動とライフスキルの関係を検討した研究、井伊ら(2006)のライフスキル尺度を援用して授業を通した学生の変化を検討した研究などがある。このほか、大学生アスリートの臨床例からライフスキル教育の可能性を述べた研究、スポーツ選手を対象としたライフスキル教育プログラム開発に関する研究がある。自然体験活動を対象とした研究では、自然体験効果尺度(谷井:2001年)を利用した研究(高山:2009年・2010年)、および社会的スキル教育について述べた研究がある。海洋教育の分野では、島本ら(2006年)の日常生活スキル尺度を練習船実習の効果測定として検討したもののみとなっている。ライフスキルの評価方法では、いくつかの異なった評価尺度が開発されていた。海洋自然体験におけるライフスキル向上を検討するためには、研究の枠組みを再検討する必要があると考えられた。研究の枠組みに関する課題としては、ライフスキルを獲得する理論に基づいて構成された体験活動を評価する実践研究、体験内容に焦点を当てた研究、心理的側面を変数として扱う実証的研究の必要性が示唆された。このほか、海洋スポーツの実践と指導に先進的に取り組む者を対象とした聞き取り調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の枠組みを作成するためのレビューに時間を要し、当初予定していたインタビューにかかる時期に遅れが生じた。また、インタビュー対象者と研究者のスケジュール調整が困難であった部分があり、十分な質的調査を実施するに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進にあたり、共同研究者との連携をさらに密にするとともに、インタビュー調査及び質問紙調査を迅速に推進し、前年度の遅れを取り戻していく所存である。
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Causes of Carryover |
研究の枠組みを策定するためのレビューと聴き取り対象者と調査実施者のスケジュール調整が困難であったため、聞き取り調査実施に遅れが生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
聞き取り調査実施のための旅費が未使用であることから、遅れを取り戻すべく調査を計画している。
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