2016 Fiscal Year Research-status Report
アフリカ諸国の学校体育の特質と我が国の国際協力のあり方に関する研究
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15K01522
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
齊藤 一彦 広島大学, 教育学研究科, 教授 (60413845)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アフリカ / 学校体育 / 国際協力 / 比較体育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アフリカ諸国の学校体育の実情を明らかにしながらその特質を導出し、当該分野の我が国の国際協力のあり方を検討することである。この目的のために、以下の三点の研究課題を設定した。 ①アフリカ諸国の学校体育の実情を把握し、さらには学校体育の意義がどのように捉えられているのかを明らかにする。 ②アフリカ諸国の学校体育の普遍性や特殊性を明らかにする。 ③アフリカの学校体育の実情に対し、我が国が貢献しうる国際協力方策を導出する。 本年度は、昨年度に実施したアフリカ地域の教育・体育に関する文献調査結果をもとに、現地調査に向けての調査枠組みを検討し、当該分野の専門家達と検討を重ね、調査のフレームワークを作成した。その上で、ウガンダ、ザンビアに赴き、現地調査を実施した。上記二カ国において、学校体育制度を明らかにするために必要な資料収集を行い、加えて、教育省の体育担当行政官、体育教員養成校の主任教員、スポーツ行政関係者などへのインタビュー調査を実施した。さらには、学校現場に赴き、学校体育の実態を、観察調査やインタビュー調査などから解明しようとした。また、ザンビア、ウガンダの体育関係者とのネットワークを構築し、今後の情報交換・共同研究等が可能な状態を整備した。加えて、アフリカの学校体育支援に関係する組織・関係者とのネットワークの構築も進めた。これらの成果の一部については、学術雑誌への投稿及び学会発表などにてまとめることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では1年次に開発途上国・調査対象国の教育・体育事情及び国際協力の動向などを整理し、2年次に調査対象国での現地調査を実施し、3年次に調査結果の分析と国際協力の方策を提言する計画であった。本年度(2年次)はウガンダ、ザンビアにおいて現地調査を実施し、研究遂行に必要な情報・資料を収集することができた。一方、調査対象国として予定していたエチオピアについては、治安悪化のため、訪問調査が実施できなかった。従って、現在までの進捗状況としては「やや遅れている」と評価せざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には3年次の計画に従って研究を展開していく。但し、本年度、治安情勢が悪く調査が実施できなかったエチオピアについては、治安状況を勘案しつつ、場合によっては渡航を断念せるを得ないと思われる。いずれにせよ、アフリカ諸国の学校体育分野の国際協力方策について提言ができるよう、研究を推進させる必要がある。
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Causes of Carryover |
本年度、当初予定していたエチオピアでの現地調査が、治安悪化のために遂行できなかった。そのための次年度使用額が生じることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
エチオピア調査実施については、治安状況をみながら判断する必要がある。調査が可能であれば、調査のために使用する。しかし、治安状況によってはエチオピアでの現地調査を諦めざるを得ない。その際は、研究遂行に必要な情報の収集方法を検討し、その遂行のために使用できればと考えている。
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