2016 Fiscal Year Research-status Report
体育における熟練教師の実践的思考様式と形成過程に関する研究
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15K01527
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
福ヶ迫 善彦 流通経済大学, スポーツ健康科学部, 教授 (20398655)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 熟練教師 / 知識 / 実践的思考様式 / 思考・判断 / 学習過程 / ゴールイメージ / 信念 / 信頼関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は実践力のある体育熟練教師の思考様式を明らかにするところにある。本年度は,中学校熟練教師の特徴を検討した。まず第一に球技領域ネット型(バレーボール系)の実践である(熟練教師Aの場合)。熟練教師のインタビューと実践から,熟練教師Aは,学習過程を設計し,ゴールイメージを持つことの重要性を示唆した。また,授業分析から具体的で学習課題に焦点化したフィードバックを実施していた。次に球技領域ネット型(テニス系)の実践である(熟練教師Bの場合)。熟練教師Bは,中心的課題とゴールイメージから,発問を抽出し,発問を基軸にして学習過程づくりの重要性を示唆した。熟練教師Bの実践では,思考・判断を重視し,学習カードの記述をすべての授業で実施した。学習カードの記述内容の質的分析から,課題の認識,課題の発見,修正,理解といった学習(思考)の流れがあった。さらに熟練教師Cの場合,学習過程づくりにおける教師の信念と信頼関係の構築の重要性を説いた。いかに学習成果を残すかは,教師が道筋をイメージできることと確固たる知識の裏付けと,子供が教師に身をゆだねることができる信頼関係,具体的には教師の指摘を理解し,試行錯誤すると最終的にできる・わかる学習成果を保証することである。総じて,熟練教師は,ゴールイメージをもてること,学習過程を修正できること,信念を持っていること,信頼関係を構築できることなどが考えられる。これらの研究は,学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
熟練教師の学習過程をつくる思考が大まかに明らかとなってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで撮影・記録した授業の実態を明らかに明らかにするとともに,その事実を突き合わせて熟練教師へインタビュー調査を実施する。
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