2016 Fiscal Year Research-status Report
ビデオ分析に基づく野外教育としての森林体験活動体系の構築
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15K01545
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
大石 康彦 国立研究開発法人森林総合研究所, 多摩森林科学園, グループ長 (80353605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 真理子 国立研究開発法人森林総合研究所, 多摩森林科学園, 主任研究員 (30414478)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 野外教育 / 森林体験活動 / ビデオ |
Outline of Annual Research Achievements |
森林体験活動事例のビデオ記録を基に、森林体験活動体系を整理するため、収集済のビデオ記録から、森林体験活動のカテゴリー「森林資源」、「自然環境」、「ふれあい」に相当する活動88事例を抽出した上で、それぞれの活動中の発言や行動をテキストに起こし、その一部をコーディングした。さらに、未収集や収集事例の少ない活動事例を対象に、13種類17事例のビデオ記録を追加収集した。また、森林体験活動体系を整理するために必要な指標を探索するため、キャンプの事例を対象に、詳細な活動内容を検討した。ビデオ記録1事例と原著論文33件から抽出した41事例の合計42事例のキャンプの活動内容を分析した結果、「森林資源」に相当する5種、「自然環境」に相当する3種、「ふれあい」に相当する10種の合計18種の森林体験活動がキャンプの活動内容に含まれていることが明らかになり、森林体験活動には、他の森林体験活動を内包する入れ子構造をもつ場合があることが明らかになった。加えて、施設の見学と林業の見学の各1事例のビデオ記録から、活動内容を検討した結果、両者に共通して、見学対象の目的や実施者、受益者をとらえる特徴がみられることが明らかになり、異なる種類の森林体験活動に共通した要素が含まれている場合があることが明らかになった。これらのことから、森林体験活動体系の整理を進める上で、森林体験活動の構造や要素のとらえ方において、入れ子構造や共通要素を踏まえる必要があることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に計画していた、(1)分析対象事例の抽出、(2)体験者の発言と行動を詳細に記述したテキストを作成する活動内容のコーディング、(3)森林体験活動の体系整理、(4)ビデオ記録追加収集について、予定どおりの数量を処理できたことから、研究全体としておおむね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画に従い、平成28年度に引き続き、(2)体験者の発言と行動を詳細に記述したテキストを作成する活動内容のコーディングと(3)森林体験活動の体系整理を進め、研究成果をとりまとめる。
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Causes of Carryover |
予算執行の結果、少額の次年度使用額が生じたものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度の研究推進に伴い、次年度使用額を順調に使用する計画である。
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Research Products
(3 results)