2016 Fiscal Year Research-status Report
血流制限下の簡易筋力トレーニングによるサルコペニア予防・治療法の開発
Project/Area Number |
15K01553
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
安田 智洋 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (20549604)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 血流制限 / 電気刺激 / 下肢 / 加圧 / トレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、寝たきりの高齢者・患者さんでも改善が期待できるトレーニングモデルを検討した。詳細なメカニズムを調べるため、ラットモデルを用いてその効果を検討している。
<実験2:電気刺激トレーニング> 【背景】血流制限下トレーニング(加圧トレーニング)は,低強度であっても筋力増強、筋肥大を引き起こすとともに多面的効果を有することが報告されている。【目的】ラットに対してトレーニング実験を実施しトレーニング前後での骨格筋各種蛋白発現を検討した。【方法】ラットを、コントロール、電気刺激のみ、加圧下電気刺激、加圧のみの4群(各n=6)に分けて検討した。トレーニングは、週3回3週間で、血流制限はラットの大腿部のカフ装着によって血流制限を加え,電気刺激は前脛骨筋にアイソメトリック収縮を1分間隔で4セット負荷した。【結果】電気刺激のみ群、加圧下電気刺激群では、COX4, FNDC5, GLUT4, MCT1及びNOS, nNOSβ蛋白発現の有意な亢進を認めた。また、加圧下電気刺激群では、PGC1α, MCT1, GLUT4の発現が有意に亢進していた。これらの各種蛋白発現量とnNOSの発現量との間には、有意な正の相関を認めた。【結論】血流制限下のトレーニングでは、骨格筋nNOSの発現とともに、ミトコンドリア機能に関連する各種蛋白発現が亢進した。加圧トレーニングは、骨格筋肥大のみならず、さまざまな多面的効果を有する可能性があると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトでの実験が困難である詳細なメカニズムについて、ラットを用いた実験を行うことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は筋肥大メカニズムの詳細に焦点を当てるとともに、電気刺激の手法をヒトでの臨床実験として実施していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
科研費を申請する時には必要と思われた機器を所属研究機関の予算で購入することができたため。また、共同研究者の機器・消耗品などを使用することができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度に予定している実験において、より高性能の機器(エコー、骨密度、電気刺激装置など)を購入し、実験データの充実・測定評価の充実を図る予定である。
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Research Products
(17 results)