2016 Fiscal Year Research-status Report
長距離ランニング中のエネルギー供給系とスキル系の連関モデルの検討
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15K01554
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山崎 健 新潟大学, 人文社会・教育科学系, フェロー (50092739)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 反復されるランニング / 疾走動作の変容 / 乳酸性作業閾値 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度は、先行研究で明らかになった10000mレース中の疾走動作の変容について、そのメカニズムを検討するために、シミュレーションモデルとして1000m走を10回反復するインターバルトレーニング中の疾走動作と各1000m疾走中の心拍数及び疾走後の血中乳酸濃度等の運動生理学的指標を検討した。 1000mの疾走タイムはほぼ一定であったが、心拍数は疾走の反復に伴い上昇し、血中乳酸濃度は1本目から乳酸性作業閾値である4ミリモルを越えて上昇していったが、途中低下する例も見られた。 また、疾走動作の解析では、スピードとストライドとの相関に比べスピードとピッチの相関が高くなることが確認された。 しかし、疾走速度がやや上昇して血中乳酸濃度は低下し、疾走動作がピッチ依存型に変容する例だけではなく、疾走速度が同一で血中乳酸濃度は低下し、疾走速度とピッチとの相関係数が著しく低下する例も似られ、運動生理学的指標との明確な対応は明らかにならなかった。 これは、運動強度が最初から乳酸性作業閾値を越えていることが要因と考えられ、乳酸性作業閾値をトリガーとした疾走動作の変容との仮説は明らかにできなかった。 今後は、疾走速度設定をやや遅くし、乳酸性作業閾値のレベルで推移するような実験プロトコールでの検討が必要なものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究での10000mレース中の解析では、心拍数や血中乳酸濃度等の運動生理学的指標の検討が困難であった。 本研究では、シミュレーションモデルとしての性格を持たせ運動生理学的指標を検討することができた。しかし、運動強度が乳酸性作業閾値を越えていたため、血中乳酸濃度の上昇が、疾走動作変容のトリガーとなるとの仮説は検討できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1000m走を反復するインターバルトレーニングでは、疾走速度を維持するために疾走速度とストライド、疾走速度とピッチとの関係を変容させて対応していることが推察された。 しかし、運動強度が比較的高ったため「乳酸性作業閾値をトリガーとする動作変容」との仮説は検証できなかった。 2017年度は、運動強度のやや低い「エアロビック・インターバル。トレーニング」のプロトコールを用いるとともに、反復回数を20回程度に増加させることでさらなる検討を試みたい。
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Causes of Carryover |
3月の学会・研究会旅費が予算額以下であったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ランニング学会第29回大会(九州共立大学) スポーツ科学研究所第5回研究集会(としま南池袋ミーティングルーム)
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Research Products
(3 results)