2017 Fiscal Year Research-status Report
運動形態を表象するオノマトペを用いた運動制御の探求
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15K01564
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
古林 俊晃 東北文化学園大学, 健康社会システム研究科, 教授 (80583963)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | オノマトペ / 随意運動 / 運動効率 / 高次脳機能 / 運動生理学 / 運動心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
【本研究の目的】ある具現化された運動形態(例えば、力、速度、パワーやタイミングを重視する運動)を、オノマトペ(擬態語や擬音語:OP)を用いて表現することがある。しかし、その効果の検証は十分ではない。本研究では、上述の4種類の運動形態とそれに合致したOPを用いることで、それぞれの運動形態がどのように変容するのか、更にそれに関わる生理学的理由を見出すことを目的としている。 【実験計画】運動形態に合致したOPを用いることで、その運動の発揮の仕方に変化がみられるかを調べることを目的として以下の計画を立てた。まず質問紙により、運動形態とそれに合致すると思われるOPをいくつかセレクトし、両者の組み合わせを確認する。今回、対象としたOPと運動形態の関係を以下の①「グー」:力強さの表象、②「スー」:速さの表象、③「ドーン」:パワーの表象、④「パッ」:タイミングの表象に設定し、それぞれの運動形態とOPの有効性を検討した。実際の運動課題は①握力課題(最大筋力)、②反応時間課題(速さ)、③動作課題(パワー)、④タッピング課題(タイミング)とした。OPによる運動形態の違いによる生理学的理由を調べるため、OPの発声による腹圧の変化と噛み締めの動態(咬筋のEMG)検証をし、更に中枢神経系の機序に関する実験(脳レベルの検証:運動関連脳電位や一次運動野への経頭蓋直流電気刺激法、脊髄レベルの検証:単シナプス反射法)を計画した。実際の運動の評価は、電子握力計並びに電子角速度計(ゴニオメータ)を用いる。対象年齢は20歳以上の健常成人を対象とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遅延の理由は①学務の多忙による遅延と②実験上の理由である。①については学内の担当講義数と複数の委員会の掛け持ちに関係する理由で、実験が計画通りにはかどらなかったことにある。②については、実験機器の不具合や実験機器の性能上の問題が見つかり、新たな設定を要することが判明した。加えて、研究倫理の制約の上で、実験協力者(被験者)の募集が予定通りに進目られなかったことがあげられる。本助成の事業期間の延期を申請し、承認された。
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Strategy for Future Research Activity |
研究に関する時間の確保:①学内の学務に関しては、学内で研究を推進する時間を確保できる環境(委員会の兼職を減らすなど)を考慮して頂いた。加えて、②本研究は、本研究室にはこれまでにない試みであり、様々な設定上の不備も暴露されたが、限られた予算の中で少しずつ改善されてきている。機器の不具合はこのほぼ改善されてきた。購入した機器の性能上の問題は、助成予算内で設定変更が可能であることが判明している。また被験者については、謝金の見直しを図り改善を図っている。 本助成の事業期間の延期を申請し承認された。再度、実験の優先順位を見直し、この期間で一定の成果を公表する予定である。
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Causes of Carryover |
研究が遅延し、事業期間の延長を申請し、承認されたため、次年度に充当したい。 使用計画として、①機器の性能上の不足分を補うための、メンテナンス代②学会への交通費並びに③論文出版にかかる費用として計上する
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