2018 Fiscal Year Annual Research Report
The impact of sporting events on the community
Project/Area Number |
15K01572
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松岡 宏高 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (10367914)
|
Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2019-03-31
|
Keywords | スポーツイベント / 社会的影響 / ソーシャルインパクト |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、多くの競技団体や競技者がスポーツを通して地域社会に好影響を与えることを意図して、それぞれがスポーツ事業に取り組んでいる。これは、スポーツの社会的影響が認識され、そのような効果に期待が集まっていることの表れである。しかしながら、スポーツが「人やまちを元気にする」「地域を活性化する」といった社会的影響は無形であるため、数字を用いて捉えて測定することが困難である。そのため、スポーツの社会的影響を科学的に把握する試みは、ようやく手が付けられたばかりである。そこで研究は、様々あるスポーツ事業の中でも、スポーツイベントに焦点を当て、開催地に生じる地域社会への影響について検討することを試みた。 まず、先行研究の検討をもとに、ポジティブな影響要因として、経済活性、文化的経験、外部へのイメージ向上、地域プライド、スポーツへの関心、ネガティブ要因として、交通・日常生活の妨害、安全面のリスク、経済的浪費が重要な構成要素であることを確認した。これに基づいてスポーツイベントの影響を測定する30項目を設定した。 研究に使用したデータは2017年に札幌市民に対して冬季アジア札幌大会の地域社会への影響についての回答を求めたものであった。有効な639部のデータを用いて尺度の検討を試みた結果、収束的妥当性と弁別的妥当性が確認できた。さらに概ね基準を満たす適合度が確認された。最も強く認識されたのは、外部へのイメージ向上、次いで経済的浪費であった。さらに、各要因に対する対象者の認識と、今後の同都市でのスポーツイベント開催に対する対象者の態度の関係を検討した結果、地域プライド、スポーツへの関心、そしてイメージ向上に対する認識が今後のイベント開催に対してポジティブな影響を与え、一方で、経済的浪費においてはネガティブな影響が確認された。
|
Research Products
(1 results)