2016 Fiscal Year Research-status Report
青少年スポーツ活動における保護者の問題行為の発生機序と対処過程
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15K01573
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
渋倉 崇行 桐蔭横浜大学, スポーツ科学研究科, 准教授(移行) (30288253)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 青少年スポーツ / 保護者 / 問題行為 / 発生機序 / 対処過程 / トラブル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,①保護者の問題行為の発生機序と効果的な対処方法を理論的,実践的に検討することを通して,②保護者の問題行為への効果的な対処プログラムを開発することであった.平成28年度は,保護者の問題行為の発生と対処に関わる理論的枠組みの検討と測定尺度の検討を行った. 既に前年度の調査によって,スポーツ活動における保護者の問題行為やその発生に関係する出来事として「当番への不満」「非協力」「子供への批判」「審判への批判」「監督・コーチとの対立」「保護者間の不和」「自分の子供中心の支援」「応援のマナー」「日常のマナー」「暴言・暴力」に関わる内容が示されていた.これらの内容項目の検討を行い,青少年スポーツ活動における保護者の問題行為の尺度を構成する項目群の選定と分類を行った.その結果,青少年スポーツ活動における保護者の問題行為は「非協力」(項目例:保護者が分担している役割や当番に協力的ではない),「子供への批判」(項目例:他の子供のプレーの悪口を言う),「監督・コーチへの批判」(項目例:選手起用についての不平不満を言う),「現場介入」(項目例:練習や試合中に監督・コーチを無視して子供と接する),「嫌がらせ」(項目例:保護者の間で派閥やグループがある),「活動時のマナー」(項目例:応援中のマナーがよくない),「自分の子供中心の支援」(項目例:練習中,自分の子供にだけ指導をする),「子供への暴言暴力」(項目例:練習や試合で子供に強い口調で注意をする)の8つの下位グループ,30項目を導いた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定された計画に沿っておおむね研究が進められている.平成28年度の最大の目標は,平成29年度に実施予定の保護者の問題行為の発生機序と対処過程の検討を行うための測定尺度の作成を行うことであった.平成28年度の調査によって,測定のための項目は厳選されている.ただし,その妥当性と信頼性の検討はまだ行われていないが,これは平成29年度調査の中で実施される.
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Strategy for Future Research Activity |
保護者の問題行為の発生機序と対処過程の検討,保護者の問題行為への効果的対処プログラムの開発とその評価を行う.具体的には,保護者の問題行為の発生とその対処に関わる諸要因間の関連性を質問紙法によって探索的に調査し,①保護者の問題行為の類型化を図る測定尺度を作成する.また,測定尺度を用いて質問紙調査を実施することにより,②「保護者の問題行為の発生機序と対処過程モデル」の構築を行い,③保護者の問題行為に対する効果的な対処方法を予防と対応の両側面から検討する.
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Causes of Carryover |
データ入力,集計のための人件費・謝金等の支出が不要となり,行われなかった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
協力者を多く必要とする調査が行われるため,次年度に人件費・謝金として使用する予定である.
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