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2015 Fiscal Year Research-status Report

オリンピック・パラリンピック競技大会開催国におけるマナー教育の在り方に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15K01586
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

真田 久  筑波大学, 体育系, 教授 (30154123)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsマナー教育 / ホスピタリティ / おもてなし / 1964東京 / 2012ロンドン / フェアプレイ
Outline of Annual Research Achievements

平成27年度においては、1964年の東京オリンピック競技大会開催時におけるマナー教育の内容と、ロンドン2012オリンピック・パラリンピック競技大会におけるマナー教育について調査した。その結果、東京1964オリンピック競技会の折のマナー教育は、文部省により、広くオリンピック教育の中で次のような内容で行われていたことが明らかになった。外国人観光客に対する親切な対応、日本人としての誇りと自覚、さらには街を花できれいに飾ったり、ゴミ拾いを行うなどの美化運動。さらに文部省発行のオリンピック学習のテキストには、日本人選手の応援のみならず、国境や宗教を超えて、様々な人々に対してエールを贈ることの重要さにまで言及されており、スポーツマンシップやフェアプレイなどについてもマナー教育として行われていた。
また東京都以外の府県でもオリンピック学習が行われ、京都市のオリンピック教育のテキストでは、真の日本文化、古都を理解してもらうことを目指して、おもてなしの態度を身につけることが期待されていた。
2012ロンドン大会におけるマナー教育は、オリンピックとパラリンピックに関する価値教育の中で行われていた。そこでは敬意・尊敬、友情、卓越性というオリンピックの価値と、決断、勇気、平等、鼓舞という4つのパラリンピックの価値であった。これらの価値を学校教育の中で身につけることが、オリンピック教育として、またパラリンピック教育の中核的部分に位置付けられていた。このようなマナー教育の展開を考えていたということができる。
以上のことから、マナー教育は大会の開催国において、1964年の日本のように、外国人に対するホスピタリティという点や、国籍や民族の相違を超えて応援し合う態度、尊敬や友情などの価値を身につけることが、日本におけるマナー教育のレガシーとして重要ではないかと考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度は順調に推移できたと言える。ソチに設置されているロシアオリンピック・アカデミーについてのマナー教育の実態については調査できなかったが、ロンドン2012オリンピック・パラリンピック競技大会におけるマナー教育について学校訪問できたことは価値があった。そこではオリンピックやパラリンピックの価値に関する教育が、大会終了後においても継続して行われている学校が多くあった。
また、日本におけるマナー教育の系譜をまとめることができた。1964年の東京オリンピック競技大会の開催時において、文部科学省によって示されたマナー教育の内容は、外国人観光客に対するおもてなしの心を含んだマナーと、国や民族の違いを超えて選手を応援するというマナーを中心に教えられていた。それらをレガシーと踏まえて、今後どのようなオリンピック教育を展開するかが重要であると思われる。

Strategy for Future Research Activity

平成28度はリオデジャネイロで第31回オリンピック競技大会が行われることから、ブラジルにおけるマナー教育の実態を明らかにする予定である。リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会における教育プログラム委員会において、具体的には、外国人観光客に対してどのようなホスピタリティを示そうとしているのか、またブラジルという民族的、国家的な特徴がどのように現れているのか、それらをどのような機関で行っているのか、などについて調査する予定である。また、東京都のみならず、宮城県、京都府、福岡県などにおいて日本においても幾つかの県でマナーやおもてなしを重視した取り組みが行われているので、それらの学校などを訪問して、具体的な展開の様子を調査する予定である。
また、古代オリンピア競技祭におけるマナー教育についても調査するため、古代のネメア競技祭を復活させたネメア競技祭が6月に開催されることから、その競技祭におけるマナー教育について調査する。
さらにボランティアの育成においてもマナー教育やおもてなし教育は重要であるため、ボランティア育成におけるマナー教育の要素についても考察する。

Causes of Carryover

27年度においては、当初予定していたロシアオリンピック・アカデミーにおけるマナー教育について実態調査を行うことができなかったため、未使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

28年度においては、ロシアオリンピック・アカデミーにおけるマナー教育について調査するのではなく、その代わりとして、ギリシャで行われるネメア競技祭におけるマナー教育について調査し、古代の競技祭のマナーについて考察するための旅費として使用する。

  • Research Products

    (8 results)

All 2016 2015

All Journal Article (3 results) Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results,  Invited: 4 results)

  • [Journal Article] オリンピック・パラリンピック教育の推進2016

    • Author(s)
      真田久
    • Journal Title

      体育の科学

      Volume: 66-3 Pages: 207-212

  • [Journal Article] 東京オリンピック・パラリンピックへの目線と期待2015

    • Author(s)
      真田久
    • Journal Title

      みんなのスポーツ

      Volume: 410 Pages: 12-15

  • [Journal Article] 五輪・パラリンピックへ「ゲットセット」2015

    • Author(s)
      真田久
    • Journal Title

      内外教育

      Volume: 6434 Pages: 2-5

  • [Presentation] The Olympic and Paralympic Education for 20202015

    • Author(s)
      Hisashi Sanada
    • Organizer
      The Olympic Conference
    • Place of Presentation
      台湾( 台中)
    • Year and Date
      2015-12-06
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] 東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた体育への期待2015

    • Author(s)
      真田久
    • Organizer
      第54回全国学校体育研究会広島大会
    • Place of Presentation
      ANAクラウンプラザホテル広島( 広島県広島市)
    • Year and Date
      2015-11-12
    • Invited
  • [Presentation] 東京オリンピック・パラリンピックと大学連携2015

    • Author(s)
      真田久
    • Organizer
      日本体育学会
    • Place of Presentation
      国士舘大学( 東京都世田谷区)
    • Year and Date
      2015-08-27
    • Invited
  • [Presentation] 2020東京大会に向けての教育プログラム2015

    • Author(s)
      真田久
    • Organizer
      文化経済学会第11回大会
    • Place of Presentation
      駒澤大学( 東京都世田谷区)
    • Year and Date
      2015-07-04
    • Invited
  • [Presentation] Physical Activity and Sport-Sport Event and Sport for All-.2015

    • Author(s)
      Hisashi Sanada
    • Organizer
      World Health Summit Kyoto Conference
    • Place of Presentation
      国立京都国際会館( 京都符京都市)
    • Year and Date
      2015-04-14
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2017-01-06  

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