2017 Fiscal Year Research-status Report
車いすスポーツにおける基本的スキルと競技用車いすセッティングの関係
Project/Area Number |
15K01597
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
信太 奈美 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (90433185)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 拓実 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (30315759)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 競技用車いす / バイオメカニクス / 駆動動作 / 車いすスポーツ |
Outline of Annual Research Achievements |
目的は,障がい者スポーツとして代表的な車いすバスケットボール・ウイルチェアラグビーなどの競技用車いすの駆動動作を運動学的に分析し,車いすスポーツにおける効率の良い駆動と車いすセッティングの関係,障害を含む身体スキルとの関係を分析することである.三次元動作解析装置 Vicon MXを使用して計測し, SIMM(対話型・骨格筋モデリングソフトウエア)を使用して車いす身体モデルからジョイントモーメントを計算する. 昨年度は本学での赤外線カメラの増設とVICON MXのシステムの更新があったためそれらの設置を待ち,そのため研究費使用計画を赤外線カメラと分析ソフトを入れ変えて使用した.分析ソフトウエアSIMM Fullbody Modelの機能を拡充し,車いす選手モデルの作成を行ったが,体育館が工事の為使用できなかったことで選手を招致することができず,デモ計測に留まっていた. 今年度は対象となる選手に対して計測を継続している.研究参加者は,身体23点,競技用車いすは,8点,合計31点の反射マーカーを貼付して計測するとしていたが,駆動時に反射マーカーが隠れてしまうことから手指や体幹などマーカーを増やすに至った.さらに,競技用車椅子に乗る前の身体モデルを作成してから車いすに乗り,車いすと選手の身体を合わせたモデルとなるように変更した.障がい者アスリートに関する研究は対象が極めて少数であることと個別性が強いことが挙げられ,計測についても多くの工夫や調整が必要とされる.数少ないデータから多くの障がい者に適合する指針を作り出すことは困難とされるが,競技力が高い選手のデータを示すことは,これから競技を始める初心者にとって有用な方向性を示すデータとなるため意義は高い.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初年度(平成27年度)は,本学での設備更新に伴う研究費使用変更が生じたことで研究が進めることができなかった.昨年度(平成28年度)は本学での赤外線カメラの増設とVICON MXのシステムの更新が行われたが,年度後半にずれ込み,その後分析ソフトウエアの購入への変更に時間を要した.また,研究が遅れた主たる理由は体育館改修工事のため体育館を使用できず選手を招致することができなかったことから車いす身体モデルの作成とデモンストレーションで実際の計測には至らなかった. 今年度(平成29年度)は車いすバスケットボール選手1名(予定25名),ウイルチェアーラグビー選手13名(予定15名)の計測を行い,データ解析も同時に進めている.昨年度までの研究計画からの遅れと,障害による測定の工夫や調整によりたびたび変更を要するため,研究期間を延長するに至った.
|
Strategy for Future Research Activity |
延長期間となる平成30年度上半期はウイルチェアーラグビー選手2-3名を計測し予定の15名を満たす.また,車いすバスケットボール選手は時間の許す限り計測データを増やし,上肢の動作より関節にかかる負荷を算出し, 駆動フォームの特長を分析する.5月に国内学会, 1月に翌年度の国際学会に登録する.
|
Causes of Carryover |
学会発表に関する学会参加費と旅費が未使用である。また論文投稿経費が使用していないため、その分の研究費が次年度使用額となる。
|