2015 Fiscal Year Research-status Report
パドリングエルゴメータを用いたボードパドリングのバイオメカニクス的研究
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15K01600
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
深山 元良 城西国際大学, 経営情報学部, 准教授 (60406759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 雅信 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (50159498)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ライフセービング / ボードパドリング / サーフレスキュー / エルゴメータ / バイオメカニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ライフセービングのボードパドリング用エルゴメータ(BPエルゴメータ)を用いてボードパドリング中の作業成績、3次元動作、および筋活動様相を明らかにすることである。 この目的を達成するために、平成27年度は被験者を選考し実験を実施した。実験の被験者は、熟練者(全日本ライフセービング選手権ボードレース決勝進出者)と未熟練者(一般大学生ライフセーバー)の男子を対象とした。実験は、室内でBPエルゴメータ(KayakPro社製)を用いて、熟練者と未熟練者に競技種目(ボードレース)と同じ600mの距離におけるニーリングパドルのタイムトライアルを行わせた。 研究実施計画のとおり、第1段階の分析として、熟練者と未熟練者の作業成績の経時変化を比較し、熟練者と未熟練者の作業成績の相違点を明らかにする。具体的には、BPエルゴメータから得られた所要時間、総ストローク数、ボード速度、ストローク頻度、ストローク長、発揮パワーとともに心拍数を競技レベル間で比較する。この結果は、第67回日本体育学会で発表予定である。 また、平成27年度の実験において、BPエルゴメータから得られた作業成績を測定できたことに加えて、3次元動作分析装置(VICON-MX10、Inter-Reha社製)を用いた測定、さらに無線式筋電計(WEB-1000、日本光電製)を用いた表面筋電図の測定も行うことができた。したがって、次年度以降は、研究実施計画に示しているとおり熟練者と未熟練者における600mニーリングパドル中の3次元動作分析および筋活動の比較に関してもデータを分析することができると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度は、被験者の選考を行い、以下の分析を行うことを計画していた。 1.BPエルゴメータを用いて600mニーリングパドルのタイムトライアルを行わせる実験を行うこと 2.熟練者と未熟練者における作業成績および3次元動作を競技レベル間で比較・分析すること 3.成果を国内の関連学会で発表すること これらの計画に対して、やや遅れている状況である。実験は、計画のとおり実施できたが、中間報告として国内学会での発表ができなかった。国内学会での発表は、平成28年8月の第67回日本体育学会で行う予定である。しかし、平成28年度に予定していた筋活動の実験を前倒しで行うことができた。したがって、今後、実験で得られたデータの分析を行うことによって、当初の研究計画のとおりに進めることができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は、やや遅れているが、研究期間に実施予定の実験をすべて実施することができた。今後はデータの分析に集中して研究に取り組み、600mニーリングパドルのタイムトライアルに関する研究課題を、以下のようなテーマ順に成果発表していきたいと考えている。 1.熟練者と未熟練者の所要時間、総ストローク数、ボード速度、ストローク頻度、ストローク長、発揮パワー、および心拍数の経時変化を比較し、熟練者と未熟練者の作業成績の相違点を明らかにする。 2.熟練者と未熟練者の動作を3次元分析により比較し、熟練者と未熟練者のパドリング動作(特に水中動作)の相違点を明らかにする。 3.熟練者と未熟練者の筋活動様相を比較し、熟練者と未熟練者の筋活動の相違点を明らかにする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由は、平成27年度の支払請求額のうち、「旅費」「人件費・謝金」の実支出額が少なかったことによる。「旅費」は、主として研究打合わせ旅費として、研究代表者と研究分担者との交通費、宿泊費の支出の予定であった。しかし、実際には、メール等による手段で打合せを済ませることができたため経費の削減となった。また、「人件費・謝金」は、主として被験者が実験に参加するときの交通費および謝金としての支出予定であった。しかし、これも実験施設の近くに在住の被験者を選考することができたため、経費の節減となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額の使用計画は、主として旅費等として使用することを考えている。平成27年度は、実験に関してはほぼ計画していたとおりに実施することができた。今後、得られたデータの分析や成果の公表が主な研究活動となることから、次年度使用額は研究者の打合せや国内の学会等に参加するための旅費等に使用する計画である。また、平成27年度の実験によって得られたデータを検証するための補足的な実験が必要になった場合は、物品費として使用することを考えている。
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