2016 Fiscal Year Research-status Report
日本の女子サッカー選手におけるキャリア形成プロセスに関する研究
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15K01602
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| Research Institution | Seikei University |
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Principal Investigator |
稲葉 佳奈子 成蹊大学, 文学部, 講師 (70431666)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 義明 専修大学, 経済学部, 教授 (30297072)
上向 貫志 武蔵大学, 人文学部, 教授 (40291661)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 女子サッカー / キャリア形成 / 女性アスリート |
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| Outline of Annual Research Achievements |
日本の女子サッカー選手におけるキャリア形成をめぐる認識について、より掘り下げて把握するため、2016年8月に全国大会上位進出校の女子サッカー部員を対象とした半構造化インタビュー調査をおこなった。前年の質問紙調査から得られた知見をふまえ、サッカー選手としてのキャリア継続の背景をさぐる観点から、進路選択における家族やチーム指導者の関わり方、チーム内での意識の共有状況などについて話を進めた。
インタビュー調査からは、質問紙調査の結果を一部裏付けるような結果がえられた。特に、将来のビジョンに関しては、高校部活動の選手とクラブの選手がともに「サッカーをどこまで続けるかわからない」という想定が進路選択に少なからぬ影響をおよぼしていることがわかった。さらに、具体的な進路選択においては、チームの指導者による意識づけに加えて、クラブの場合はトップチームにおける年長選手の現状が身近に把握できる環境的要因の影響がうかがえた。
また、同年3月におこなったなでしこリーグ所属クラブの選手へのインタビュー調査との比較からは次のことがわかった。クラブチームには20代半ば～後半の選手が多数所属しており、若い選手は、高校や大学を卒業した後のサッカーとのつきあい方、選手としてのキャリア継続のありかたなどについて、具体的なイメージを持つことが可能な環境にある。一方、高校生の場合は、上級生になってようやくおぼろげながら将来をイメージし始めるといった状況がうかがえる。そうした意味で「モデルケース」の有無は、サッカー選手としてのキャリア継続やその先の将来について考えるにあたり、選手に大きな影響をおよぼすと考えられる。
前年から8月にかけての調査結果をもとにした成果は、2016年10月に開催された日本フットボール学会第14回大会にて発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
8月の調査では、数日間にわたって高校生チームに同行し、練習や試合などサッカーをする現場での様子を確認しながらインタビュー調査をおこなうことができた。前年度の調査から得られた知見をさらに掘り下げ、考察を深めるためのデータが得られたものと判断している。また、10月の学会大会での発表に向けて研究代表者と研究協力者が連携を密にすることで、さらに議論を進めることができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
理論的枠組みについては、28年度の検討において得られた知見をもとに、調査から新たにわかった傾向や背景などをふまえた議論の進化および修正をおこなう。上記と並行して、29年度も引き続き聞き取り調査をおこなう。対象としては28年度と同じくサッカー強豪校の女子サッカー部員およびなでしこリーグ所属クラブの選手を予定している。
29年度は研究の最終年度にあたることから、調査データにもとづく研究資料および理論的側面からの考察を加えた論考をまとめる。
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| Causes of Carryover |
クラブチーム選手へのインタビュー調査が都内でおこなわれたため交通費滞在費の支出が予定より少なかった。また、地方での調査においては調査のコーディネートが円滑に進んだため、調査期間が想定していたより短くなり、結果として滞在費の支出が予定より少なくなった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度は関東以外のチームを対象とした調査おこなうため、その移動や滞在にかかわる部分で執行される予定である。
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