2015 Fiscal Year Research-status Report
東京五輪へ向けたスポーツによる国際貢献事業のストラテジーに関する研究
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15K01603
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
小林 勉 中央大学, 総合政策学部, 教授 (20334873)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Sport for Tomorrow / 戦略的スポーツ国際貢献事業 / SDP / 2020年オリンピック・パラリンピック競技大会 |
Outline of Annual Research Achievements |
「2020」東京招致成功により誘引されてきた日本スポーツ界の新たな潮流を取り上げ、日本政府が取り組み始めたスポーツ国際貢献事業の内容とスポーツによる国際貢献活動の沿革について跡付けながら、その政府事業となる「Sport for Tomorrow」プログラムについて検討を加えた。具体的な検討内容は以下の通りである。①2020年オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた国際貢献策である「戦略的スポーツ国際貢献事業」や「戦略的二国間スポーツ国際貢献事業」の概要について各種政策文書をもとに浮き彫りにした。②多様なアクターを関わり始めたSport for Tomorrowの全体像について明らかにし、当該プログラムがどのような経緯の中で具体化してきたのかについて、スポーツ立国の実現を目指した国家戦略の全体像とともに整理した。③Sport for Tomorrowの開始に大きな影響を与えたイギリスの「インターナショナル・インスピレーション・プログラム(Internatinal Inspriration Programme)」の詳細について明らかにすることができた。 従来、単なるスポーツ振興として捉えられがちであった「Sport Development」というトピックは、「Development thorough Sport」もしくは「Sport for Development」といった開発イシューをとりまく視角へと拡大され、Sport for Tomorrowという新たな戦略的スポーツ国際貢献事業の局面が「スポーツを通じた国際貢献」というテーマのもとに、日本でも生み出されてきた詳細な経緯について浮き彫りにすることができた。また、SDPが台頭した社会的背景に、日本と世界的潮流の間には大きな懸隔が存在するということについても明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各国際機関の文書や先行研究が比較的順調に入手することができ、当初の予定通りに計画を推し進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、研究活動を遂行していく予定である。
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Causes of Carryover |
イギリスのラフバラ大学及びUKスポーツへ現地調査へ行ったが、日本のスポーツ国際戦略であるSport for Tomorrow を統括する日本スポーツ振興センターから渡航費が拠出されたため、本研究費を使用する必要がなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外のフィールドワーク調査に執行する予定である。
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