2016 Fiscal Year Research-status Report
東京五輪へ向けたスポーツによる国際貢献事業のストラテジーに関する研究
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15K01603
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
小林 勉 中央大学, 総合政策学部, 教授 (20334873)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | SDP / Sport for Tomorrow / 戦略的スポーツ国際貢献事業 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度においてはスポーツによる国際貢献事業が台頭した社会的背景に、日本と世界的潮流の間には大きな懸隔が存在するということに明らかにしたが、今年度はSDPの活動が途上国の現場において、いかに展開されているのかについて、その主要なアクターと具体的な実践内容という観点から明らかにした(例えば、インドのマジック・バス、ケニアのマザレ青少年スポーツ連盟など)。また、貿易依存度が高く、他律性の大きい基幹産業しかもたない南太平洋地域を事例に、この20年のうちにスポーツ振興やスポーツ政策の現場でどのような変化が生じてきているのかについての詳細を跡づけながら、社会開発の領域とスポーツがどのように結びつき始めようとしているのかというプロセスについて詳らかにすることができた。 これらの研究成果の一部については、スポーツ庁が推し進める国際貢献事業を検討するワーキンググループにも政策議論の素材として提供され、実際の政策立案の過程においてSDPに関する総合情報としてフィードバックされた。 今後は、SDPをめぐり開発を推し進める側、それを受け入れる側にはどのような問題が伏在するのかを様々な事例から検討する予定である。とりわけ、援助する側の援助政策の転換により、途上国の現場でSDPがどのように変容していくのかを追跡することで、「2020Tokyo]」へ向けたスポーツによる国際貢献事業のストラテジーを検討する上で貴重な基礎資料を提供するものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
およそ300ページにわたる単著が発刊されるなど、着実に研究成果を上げてきており、さらには実際のポリシーメーキングの場面においても外部有識者の立場から研究成果をフィードバックがなされてきているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、研究活動を遂行していく予定である。
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Causes of Carryover |
本務校の学部再編の業務に忙殺され、長期休業期間中であっても「まとまった調査期間」を取得することが困難であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内外のフィールドワーク調査に執行する予定である。
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