2015 Fiscal Year Research-status Report
感性バイオメカニクスに基づく動作のコツ学習支援システムの開発
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15K01613
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Research Institution | Yuge National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
水崎 一良 弓削商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00403600)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 感性 / コツ / 学習支援 / バイオメカニクス / バスケットボール |
Outline of Annual Research Achievements |
体育・スポーツの技術指導において,「科学の眼」が求められるようになって久しいが,未だ学習者,指導者ともに経験主義の主観的認識(理解)に基づく実践が主流である。彼らの持つ感性(身体感覚)は興味深いが,暗黙的であり,それを客観的に捉え共有することは困難である。これまで,バイオメカニクスを応用し,学習者の「身体感覚」を視覚的にフィードバックする技術指導を試み,成果を得ている。しかし,ハード面での制約があり,幅広い技術・体力レベルでの活用には至っていない。本研究では,リアルタイムで足圧分布および動作データがフィードバック可能な,バランスWiiボード・Kinect for Windowsを用いた「簡易式コツ学習支援システム」の開発とその有効性を明らかにすることを目指している。 今年度は,合理的な「構え」の「簡易式コツ学習支援システム」の開発を目指し,バイオメカニクス的観点から技術分析を行い,技術評価の観点を見出すための基礎資料を得ることを第1の目的とした。そして,これらの資料を活用して,バランスWiiボード・Kinect for Windowsを用いた「簡易式コツ学習支援システム」のソフト開発を第2の目的とした。 第1の目的の取り組みとして,バスケットボールの構えおよびその後の動作について,足圧分布計測,筋電図計測,2次元動作解析を実施した。被検者は,継続的な協力が可能な熟練者と非熟練者とした。その結果,足圧分布,筋放電,身体感覚(足底および筋)についてバイオメカニクス的観点より検討したところ,被検者間で差異が認められた。しかし,定量的技術評価のための基礎資料を蓄積できたものの,技術獲得過程を明らかにするには至らなかった。そのため,第2の目的であるバランスWiiボード・Kinect for Windowを用いた「簡易式コツ学習支援システム」のソフト開発について完成に至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は,合理的な「構え」の「簡易式コツ学習支援システム」の開発を目指し,足圧分布計測,筋電図計測,3次元運動解析(動作解析および床反力解析)を行い,バイオメカニクス的観点から詳細な技術分析を行う予定であった。しかし,システム開発の根幹となる「足圧分布・筋放電・動作」について技術評価の観点を絞り切れていないため,当初の予定を変更し,まずは弓削商船高等専門学校研究室内において足圧分布計測,筋電図計測,2次元運動解析による技術分析を実施した。 そのため,運動指導・学習の効率化を保証するほどの詳細な技術分析を実施するに至っておらず,これに伴い,バランスWiiボード・Kinect for Windowsを用いた「簡易式コツ学習支援システム」のソフト開発についても,当初の予定より遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,合理的な「バスケットボール競技の構え」の追求と「簡易式コツ学習支援システム」の開発を目指す。 計測期間は,被検者である学習者・指導者の意見を取り入れ決定する。詳細な技術分析(3次元運動解析,足圧分布計測,筋電図計測)は, 4日間の予定で2回(計8日間)実施する。現役選手を対象とするため,スケジュール調整が難航することが予想される。その場合は,計測の実施場所・期日・回数などを調整し,柔軟に対応する。研究協力者は,専門的知識を有した企業技術者1名とする。足圧分布および筋電図の解析作業は,研究者が弓削商船高等専門学校研究室内にて行う。3次元運動解析は,研究者を中心に,企業技術者1名と協力してのべ5日間行う。 これと並行して,企業技術者1名と協力して,バランスWiiボード・Kinect for Windowsを用いた「簡易式コツ学習支援システム」のソフト開発を行う。得られた研究成果は,国内学会にて発表する。また,学習者・指導者にも研究成果を報告する。
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Causes of Carryover |
今年度は,合理的な「構え」の「簡易式コツ学習支援システム」の開発を目指し,足圧分布計測,筋電図計測,3次元運動解析(動作解析および床反力解析)を行い,バイオメカニクス的観点から詳細な技術分析を行う予定であった。しかし,技術分析の遅れに伴い,このシステムの根幹となる技術評価の観点について運動指導・学習の効率化を保証するには至っておらず,ソフト開発に遅れが出ているため,未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
合理的な「構え」の追求のための詳細な技術分析に伴う研究費に使用する。また,「簡易式コツ学習支援システム」のソフト開発に使用する。これについては,企業技術者への開発協力に関わる謝金も含まれる。
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