2015 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋線維サイズおよびタイプ変化に対するマップキナーゼの関連
Project/Area Number |
15K01620
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大石 康晴 熊本大学, 教育学部, 教授 (10203704)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | リン酸化マップキナーゼ / 筋線維組成 / ラット / ヒラメ筋 / Heat shock protein |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでマップキナーゼがラット骨格筋線維のタイプ発現にどのように影響するかについて研究を進めてきた。
筋線維組成との関連では、速筋線維の割合の高いGastrocnemius表層部でリン酸化マップキナーゼの発現量が最も高く、速筋線維の割合の低い筋ほど発現量が低下する知見を得ている。また、発育から成熟にいたるラット下肢ヒラメ筋では、速筋線維の割合の減少に伴いリン酸化マップキナーゼの発現量の減少が認められた。さらに、除神経により筋線維タイプ発現が速筋タイプへとシフトしたラットヒラメ筋では、リン酸化マップキナーゼの発現量が増加する知見を得ている。
以上の結果から、マップキナーゼはリン酸化することによりラット下肢骨格筋の速筋タイプの発現型に関与する可能性が示唆された。本研究結果は、国内外の学会等で発表する予定であり、同時に英論文として発表予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
リン酸化マップキナーゼがラット下肢骨格筋の筋線維タイプ発現にどのように関与・影響しているかについて、平成27年度末までに3種類の実験を終了し、当初の予定通り順調に研究が推移しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
私たちはこれまで熱ストレスタンパク質 (heat shock protein, HSP) と骨格筋の関連について研究を進めてきた。
これからの研究課題として、熱ストレスがマップキナーゼのリン酸化とどのような相互作用を持ち、筋線維タイプ発現に関与・影響しているかについて解明していく予定である。
|
Causes of Carryover |
研究費用は主に実験等に必要な薬品、実験動物、消耗品の購入、各種学会参加のための旅費、および論文作成等の消耗品費用としてに使用した。
しかしながら既存の薬品や消耗品がかなり残っており、それらを活用することにより研究予算が余った結果、次年度に使用することとなった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験薬品の購入や国内外の学会参加費用・旅費、および消耗品の購入に当てる。
|