2017 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of the moderate exercise and dietary condition on the improvement of mood and efficiency of mental tasks.
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15K01624
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
松本 直幸 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (00252726)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 中強度運動 / d2テスト / 空間情報処理 / コミッションエラー / 反応時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、継続的に実施する運動と一過性の運動が脳や心の健康に及ぼす効果に着目し、高齢化や介護の問題に直面する社会や個人に最適な生活習慣を提言することを目的に実施する。本研究計画では、ヒトを対象とした認知機能テストの成績や、ラット海馬における神経新生と認知機能や不安傾向との関係などを指標に、継続的あるいは一過性の運動の効果を検証する。 昨年度までに、事前に中強度運動を実施することにより覚醒レベルが上昇し、空間情報処理能力が向上する可能性について複数の課題を用いて検証を進めてきた。そこでH29年度は、その仮説を検証するために、女子大学生16名を対象として、これまでとは異なる空間情報処理能力が求められるd2テスト、および空間的記憶課題を導入し、中強度運動(心拍数120拍/分、10分)前後で実施するそれらの課題の成績を比較した。d2テストでは運動後に解答数が増加したが、安静条件でも同様の変化が認められ、運動の効果は観察されなかった(安静条件; 475 vs. 496 問 , 運動条件; 476 vs. 503 問 , ともにp < 0.01)。しかし、誤って標的とは異なる刺激をチェックするコミッションエラーの数が、安静条件と比べて運動条件で抑制された(安静条件;0.13 vs. 0.84‰, p < 0.01、運動条件;0.42 vs. 0.35‰, n.s.)。空間記憶課題では、正答率に運動の効果は認められなかったが、運動条件においてのみ、回答までの反応時間が短縮された(安静条件;758 vs. 753 msec、運動条件;692 vs. 666 msec, p < 0.05)。上記の結果は、運動により空間情報処理能力が高まるという仮説を支持するものと考えられる。これらの結果については、今年度の学会にて報告予定である。
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Research Products
(13 results)