2017 Fiscal Year Research-status Report
注意欠陥多動性障害はどのように発症するのか:クレアチンを標的とした機序の検討
Project/Area Number |
15K01634
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
黒澤 裕子 東京医科大学, 医学部, 講師 (90623108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜岡 隆文 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (70266518)
涌井 佐和子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (00360959)
本間 俊行 立命館大学, スポーツ健康科学部, 助教 (90392703)
大黒 多希子 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (30767249)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 注意欠陥多動性障害 / 遺伝子改変マウス / 多動 / 認知機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトは、注意欠陥多動性障害(ADHD)の発症メカニズムの解明を最終目標として実施している。当初の計画では、研究初年度に、プロジェクト全体を通じて使用する予定の、モデル動物のコロニー確立をめざし、2年度目に、確立されたモデル動物コロニーを用いて、「錐体外路性運動障害」および「認知機能障害」に果たす、脳クレアチンの役割に関する基礎的検討を実施する予定であった。しかしながら、研究代表者の、年度途中による所属機関変更により、モデル動物コロニーの確立およびその後の検討の実施が遅れている。とはいえ、モデル動物は既に完成した。また、PCRによる遺伝子型判定も作動することを確認している。現在、実験実施に必要な数のマウスコロニーの確立を目指すとともに、表現型を評価するための各種測定の予備実験を、野生型マウスを用いて行っている段階である。遺伝子改変マウスコロニーの確立後、今年度内に、ADHD発症メカニズムの解明にむけた基礎的データの採取を目指す。
※表現型判定その1:クレアチン濃度の脳部位別分布、 ※表現型判定その2:自発的活動量、平衡感覚、モーターコーディネーション、筋力、全身持久力、 ※表現型判定その3:空間的認知機能、記憶力、 ※表現型判定その4:異常行動の有無、社会性、 ※表現型判定その5:身体組成
本研究の実施により、多動(錐体外路性運動障害)の主要作働部位である“前頭前野、小脳”での、また海馬依存性認知機能発揮部位である“海馬”での、脳クレアチンの作用機序の一端が明らかになると予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
進捗状況は、当初の計画から大幅に遅れが出ている。その理由は、研究代表者の年度途中の所属機関異動による。このため、新たな所属先にて、動物実験系をはじめから構築する必要があった。しかしながら、既に、遺伝子改変動物は完成し、遺伝子型判定も作動することを確認している。現在実施中の、各種表現型の予備測定を、遺伝子改変マウスを用いた本試験に速やかに移行させ、ADHD発症メカニズムの解明にむけた検討を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、既に完成した遺伝子改変マウスのコロニーを確立した後、可及的すみやかに、表現型および脳機能の評価を行い、ADHD発症メカニズムの解明を目指す。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは、研究代表者の、年度途中による所属機関の変更により、当初の研究計画が大幅に遅れているためである。次年度において、クレアチンの脳内分布の測定、自発的身体活動量、運動機能評価、認知機能評価のための試薬等を購入し、ADHD発症メカニズム解明を行う。
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