2016 Fiscal Year Research-status Report
骨折発生要因の実証的分析に基づいた骨折予防健康教育プログラムの開発
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15K01644
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小林 央美 弘前大学, 教育学部, 教授 (00419219)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 骨折 |
Outline of Annual Research Achievements |
学童期の骨折発生要因は、主体的要因(体力・運動能力や技術的習熟、判断力等)と環境要因(スポーツ機会や天候等)が組み合わさって発生すると指摘されている。 1990年代以降、児童生徒期の骨折は急増している。小・中・高等学校における学校管理下における骨折例の調査データから、まず最初に、医師の診断名をもとに、児童生徒期の骨折の発生状況について発生時期や発生時の教育活動について概観し、次いで、主体的要因の視点から児童生徒の体格因子である身長との関連について検討した。次に、環境因子であるスポーツ機会やその受傷転機、受傷時間(授業中や登下校時等)、受傷場所等との関連についても検討中である。 以上のように、骨折状況について実証的データから多面的に解明を進め、児童生徒期の骨折発生要因を明確にし、その上で、その知見をエビデンスに実証的データを活用した「児童生徒期における骨折発生予防の健康教育プログラム」の開発を行う。そのプログラムについては、授業実践と検証を繰り返し、その妥当性を検討していくこととする。このことにより科学的エビデンスを教材とした他の分野における健康教育への汎用性の可能性についても検討する。 これら一連の検討により、健康教育全般に活用できる健康教育の教材開発とプログラムのあり方について提示できるものである。また、小・中・高等学校といった発達段階、学校種別の健康教育プログラムのあり方についても検討し提示できるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究1年目には、骨折の発生要因を実証的に明らかにする上で、①体格因子である身長との関連と②運動機会との関連の2点からの検討を計画していたが、1年目は、①の体格因子のみの検討で終了した。 そこで、2年目は、当初計画していた1年目の検討である②運動機会などの環境因子について検討を行った。そのため、当初2年目に計画していた骨折予防教育プログラムの暫定版作成は、着手をするに至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、本研究の最終目的を「骨折予防健康教育プログラムの開発」とする。そのため、今後さらに多面的に骨折の発生要因の分析を重ね、それをエビデンスとした健康教育プログラムの開発を行うこととする。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では、本年度に「健康教育プログラムの実践と検証」を行う予定であったが、プログラムの開発の着手に至っておらず、実践とその検証が難しかったため、その研究にかかる費用が生じなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度健康教育プログラムの開発を行い、実践・検証を行う予定である。
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