2015 Fiscal Year Research-status Report
地域在住高齢者における座り過ぎの健康影響および決定要因を解明するための縦断研究
Project/Area Number |
15K01647
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柴田 愛 筑波大学, 体育系, 准教授 (30454119)
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Project Period (FY) |
2015-03-01 – 2018-03-31
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Keywords | 座位行動 / 高齢者 / 健康アウトカム / 縦断研究 / 加速度計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高齢者における長時間の座位行動 (座り過ぎ) の健康影響および決定要因を、縦断研究デザインを用いて明らかにすることである。初年度である平成27年度は、ベースライン調査・測定 (郵送法による加速度計測定・質問紙調査、来所による体組成・運動機能測定等を含む) を実施し、客観的・主観的に評価した座位行動の記述疫学的検討を行う予定であった。しかしながら、本年度4月から9月までの産前産後の休暇および育児休業の取得の伴い交付申請を保留したため、研究計画も約半年の遅れが生じた。研究を再開した今年度10月からは、次年度からの更なる本研究の推進を目指して、本研究の研究倫理申請書の作成およびベースライン調査準備、研究中断期間中に掲載された関連論文の推敲を行った。また、これまで蓄積したデータを使用し、本研究の目的のひとつである長時間の座位行動の健康影響に関する予備的研究として、高齢者の客観的評価による座位行動パターンとインピーダンス法(MC-980A)による骨格筋および体脂肪率との関連を予備的に検討した。その結果、男女ともに骨格筋量および体脂肪率はそれぞれ総座位時間と有意な関連があった。また、20分以上連続した座位行動数も骨格筋との関連がみられた。この予備的研究から、日本人高齢者の身体的健康度の中でも、座り過ぎがサルコペニアなど筋骨格系機能や肥満を起因とする内科的慢性疾病の双方に悪影響を及ぼす可能性がある示唆を得た。次年度は、本年度の成果をもとにベースライン調査の実施など本研究を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27度4月から9月までの産前産後の休暇および育児休業の取得により交付申請を保留したため、予定より半年分遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
全ての研究工程を予定の半年遅れで実施していく。ベースラインからフォローアップ調査の期間は短縮できないため、迅速にデータ解析・論文執筆が出来る様、各調査終了後のデータ入力・整理を外部委託する。また、解析結果を速報として積極的に国内外の学会に発表する。さらには、これまでの蓄積データを活用して予備的研究の成果を国際学会に発表、国際誌へ投稿するなど、期間内に本研究目的が達成できるよう努めていく。
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Causes of Carryover |
平成27度4月から9月まで半年間の産前産後の休暇および育児休業により交付申請を保留したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額分の助成金は、平成27年度に実施予定であったベースライン調査・測定 (郵送法による加速度計測定・質問紙調査、来所による体組成・運動機能測定等を含む) を実施するための郵送料、質問紙作成、回収された回答データの入力委託費および整理補助者金などに使用する。
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