2016 Fiscal Year Research-status Report
地域在住高齢者における座り過ぎの健康影響および決定要因を解明するための縦断研究
Project/Area Number |
15K01647
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柴田 愛 筑波大学, 体育系, 准教授 (30454119)
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Project Period (FY) |
2015-03-01 – 2018-03-31
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Keywords | 座位行動 / 高齢者 / 健康アウトカム / 縦断研究 / 加速度計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高齢者における長時間の座位行動 (座り過ぎ) の健康影響および決定要因を、縦断研究デザインを用いて明らかにすることである。平成28年度は、ベースライン調査・測定を実施し、客観的・主観的に評価した座位行動の記述疫学的検討を行った。具体的には住民基本台帳より無作為抽出した65-84歳の地域在住高齢者に郵送法による質問調査を実施した。その後、対象者が居住する地域の施設に来所を求め、体組成・運動機能の測定を行った。その結果、加速度計による客観的な座位行動時間は522分/日で一日の覚醒時間の58.1%を占めていた。また、平均で7.7回/時間、座位行動を中断していた。加えて、30分以上続くような長時間の座位行動を4.4回/日とっていた。座位行動パターンにハイリスク集団は、男性、後期高齢者、過体重・肥満者、独身者であった。また、質問紙評価による余暇 (テレビ視聴、パソコン・スマートフォン利用、読書などその他)、仕事、および移動 (自動車運転・乗車、電車・バス移動等の公共交通機関利用) に伴う座位時間については、テレビ視聴に伴う座位時間が最も長く、総座位行動時間の45.6%にあたる200分にのぼった。ハイリスク集団の特徴は、生活場面ごとに異なっていた。以上の結果から、高齢者を対象とした座位行動減少の取り組みとして、主にテレビ視聴場面で30分以上続くような長時間の座位行動の中断を推奨することが有効である可能性が示唆された。次年度はこの記述疫学的検討の論文化および国際誌への投稿、加速度計、質問紙により評価した座位行動の場面・時間・パターンと体組成・運動機能との関連を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27度4月から9月までの産前産後の休暇および育児休業の取得による研究中断のため、その後の計画が半年遅れで進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27度4月から9月まで半年間の産前産後の休暇および育児休業を取得したため、全ての研究工程を予定の半年遅れで実施していく。それに伴いベースライン調査データを使用した客観的・主観的に評価した座位行動の記述疫学的検討および健康指標との関連に関するデータ解析や論文執筆を同時並行で迅速に行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
半年遅れで実施しているため、当初予定した座位行動分析ソフトの構築費の支出がなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
加速度計測定による座位行動パターンの詳細分析ソフト構築のために使用する。加えて、同様の対象者、手続き、項目による追跡調査・測定の準備の一部にも充てる予定である。
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Research Products
(5 results)