2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analyzing risk literacy for self-help and mutual assistance and applying it to school education
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15K01648
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
渡邉 正樹 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10202417)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リスクリテラシー / 自助 / 共助 / 安全教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度については,以下について研究を進めた。 青年期後期におけるソーシャルメディア上の健康情報の利用実態を明らかにするために,18~23歳の青年期後期1000人(男女各500人)を対象に,ソーシャルメディア利用実態,ソーシャルメディアでの健康情報の検索・閲覧・発信,健康情報発信項目等を調査した。その結果,eヘルスリテラシーと健康情報の適正発信行動に有意な相関はなく,異なる概念であることが示された。また、eヘルスリテラシーが高くても、健康情報をそのまま拡散する可能性が高いと考えられた。健康情報の適正発信尺度の概念を加えることで、適正発信に関する行動の促進を図ることができ、その行動を高めるためには、学習経験と成功失敗経験、健康価値の順位づけが重要であると示された。 次に都市直下型地震とそれに伴う火災,あるいは気象災害や帰宅困難などへの対応が課題となっている東京都に在住する住民1500人を対象に,災害発生時の自助,共助行動に関する防災リテラシーについて調査を実施した。主な調査内容は,災害リスク認知,ソーシャルキャピタル項目(社会的ネットワーク,社会参加等),自助・共助に関わる防災リテラシー(災害・防災に関する知識,災害への備えの状況,災害発生時の自助・共助行動)である。その結果,災害リスク認知とソーシャルキャピタルの認知との関係では弱い正の相関があったが,ソーシャルキャピタルの認知と防災リテラシーとの間には比較的高い相関があった。 総合的に,多面的なリスクリテラシーと防災リテラシーと関連要因を分析するとともに,これらの結果の安全教育への応用を進めた。具体的には,調査研究を踏まえて小中高教員向けの研修会を通じてリスクリテラシーの育成方法について検討し,それらの成果は児童向けの自助・共助を中心とした安全教育の指導書として公表した。
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Research Products
(10 results)