Outline of Annual Research Achievements |
本研究は糖尿病、高血圧、がんなどの疾患の原因と考えられている酸化ストレスマーカーを含む複数のストレスマーカー(8-OHdG, 3-NT, 4-HNE, GSH, GSSG, ADMA, SDMA, Ky, 3-HK, 3-HA, KA)を液体クロマトグラフィータンデム質量分析 (LC/MS/MS)を用いて一斉に定量できる方法を開発し、ストレス状態の評価におけるこの方法の有用性について疾患モデル動物を用いて検討することを目的とする。初年度はストレスマーカー標準物質を液体クロマトグラフィータンデム質量分析法により一斉に定量する方法を確立した。本年度は血漿からストレスマーカーを検出するため、(1)4-HNE, GSH, GSSGの自己酸化、分解を抑える方法、(2)8-OHdG, 3-NT, 4-HNE, GSH, GSSG, ADMA, SDMA, Ky, 3-HK, 3-HA, KAの血漿での抽出効率、再現性について検討を行った。(1)については血漿中でのGSH, GSSGの分解を抑制するため、GSH 分解酵素ガンマグルタミルトランスぺプチダーゼ (GGT) 阻害剤 GGsTOPを用いた。ラット血漿ではGGsTOPにより、GSH, GSSG の分解が抑制されることがわかった。(2)についてはラットの血漿に8-OHdG, 3-NT, 4-HNE, GSH, GSSG, ADMA, SDMA, Ky, 3-HK, 3-HA, KAを添加し、アセトニトリルで除タンパク後、抽出効率、再現性(変動係数)を求めたところ、抽出効率は概ね70% 以上、変動係数は20% 未満であった。4-HNEはアセトニトリルでは抽出できないことから、別の溶媒で検討する必要があることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は血漿中のストレスマーカーを液体クロマトグラフィータンデム質量分析法により一斉に定量する方法を確立するため、(1)4-HNE, GSH, GSSGの自己酸化、分解を抑える方法、(2)8-OHdG, 3-NT, 4-HNE, GSH, GSSG, ADMA, SDMA, Ky, 3-HK, 3-HA, KAの血漿での抽出効率、再現性を計画し、実行した。当初予定していた成果が得られており、これらの点からおおむね順調に進行していると考えている。
|