2016 Fiscal Year Research-status Report
児童生徒における個に応じた認知行動療法的ストレスマネジメント実践方法の確立
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15K01666
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
嶋田 洋徳 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70284130)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ストレスマネジメント / 認知行動療法 / 児童生徒 / アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,公立小中学校において,児童生徒の個人差変数のアセスメント結果に基づいて,同一クラスに所属する児童生徒を小集団(6~8名程度)に分割し,認知行動療法的観点からストレスマネジメントプログラムの実践を行った。その際,平成27年度までに作成した個人差変数別の映像刺激(サブコンテンツ)を,ストレスマネジメントプログラムのメインコンテンツと組み合わせて実践を行った。 具体的には,小学生473名,中学生426名を対象として,サブコンテンツとメインコンテンツを組み合わせてストレスマネジメントプログラムを実施する学級群と,ストレスマネジメントのメインコンテンツのみのプログラムを実施する学級群に振り分け,それぞれの介入手続きを実施し,ストレス反応の測定を行なった。 その結果,サブコンテンツを組み合わせたストレスマネジメントプログラムは,標準的なストレスマネジメントプログラムと比較して,中学生のストレス反応の低減に有効であることが示された一方で,小学生においては,いずれの学級群においてもストレス反応の低減が見られたものの,学級群の差異は示されなかった。 このことから,中学生と比較して,小学生は個人差変数に応じたプログラム実施の効果よりも,すべての児童に共通する要素のプログラム(心理教育など)実施の効果の方が大きいことが示唆された。その一方で,中学生においては,生徒それぞれが有する認知行動的特徴に応じたコンテンツを組み合わせることによって,従来型のストレスマネジメント教育の効果をより高めることが可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り,平成27年度までに作成した映像刺激を用いて,当初予定したストレスマネジメントプログラムの実践介入を公立小中学校において実施し,データ収集を行った。しかしながら,十分な手続きの実施がかなわず,結果が曖昧になってしまった部分があるため,今後さらに工夫したデータ収集を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に実施したストレスマネジメント介入のデータに基づいて,研究成果の発表を行なう。また,これらの実証的研究に基づきながら,児童生徒の個人差変数を考慮したストレスマネジメントプログラムとして体系化を行う。
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Causes of Carryover |
ストレスマネジメント介入に基づくデータ収集が,一部当初の計画通りに進まなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,公立小中学校におけるストレスマネジメント介入の実施に伴う国内旅費,調査用紙の印刷に関わる諸経費,各種消耗品に使用する予定である。
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Research Products
(9 results)