2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of practical method of cognitive behavior therapy-based stress management according to individual characteristics in children and adolescents
Project/Area Number |
15K01666
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
嶋田 洋徳 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70284130)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ストレスマネジメント / 認知行動療法 / 児童生徒 / アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,公立中学校,高等学校において,生徒の個人差変数のアセスメントを行い,ストレスマネジメントの中核となる問題解決訓練法をベースとして,それにマインドフルネス呼吸法に基づく情動調整方略の観点を加えたプログラムの介入効果を検討した。 具体的には,中学生940名,高校生677名を対象として,クラス単位ごとに,従来型の問題解決訓練法に基づくストレスマネジメントを実施する群,問題解決訓練法に情動調整方略の観点を加えたストレスマネジメントを実施する群,そして,心理教育の内容の書面を配付してセルフトレーニングを促す群の3つのいずれかに振り分けて介入を実施し,攻撃行動の測定を行った。データ分析の結果,実際にクラス単位でストレスマネジメント介入を実施すると,従来の研究知見と同様に,攻撃行動に関して有意な低減が見られたことが確認された。その一方で,3群の介入効果に関して顕著な差異は見られなかったが,中学生を対象としたセルフトレーニング群に関しては,その介入効果が小さいこと示された。また,中学生は,高校生と比較して個人差変数の分散が大きいことが示された。 これらのことから,高校生を対象とした場合には,クラス単位でストレスマネジメント介入を実施しても,ある程度の一律の効果が期待できる一方で,中学生を対象とした場合には,生徒の個人差変数に応じた介入を実施しないと,その介入効果を減じてしまう可能性があることが示唆された。
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