2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K01669
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
中澤 寛元 常葉大学, 健康プロデュース学部, 准教授 (50387932)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ストレスマネジメント / ツボ刺激 / 東洋医学 / 皮膚刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ツボ刺激により、心身ともに健康で豊かな生活を送れる一助になるべく、その刺激効果について、中枢レベルの現象を明らかにし、ストレス社会にある現代の日々の生活に役立てられるようなエビデンスを基盤としたツボ刺激法における基礎的な知見を得ることを目的としている。 平成27年度は、SART(Specific Alternation of Rhythm in Temperature)ストレスモデル動物を対象に、鍼によるツボ(経穴)刺激の効果について、(1)脳内微量物質(ヒスタミン、ドーパミン)の動態を指標として、部位特異的な現象の有無の検討、ならびに最も影響を及ぼす部位の抽出について検討、(2)免疫組織学的手法による脳内神経活動の変化の観察、をおこなった。 結果、(1)足三里穴相当部位に対する鍼を電極とした通電刺激により、脳内ヒスタミンならびにドーパミンの動態は刺激前に比べ有意に変化した。一方、非ツボ部位への刺激では脳内微量物質に著変は認められず、統計学的な有意差も観察されなかった。(2)ツボ刺激をおこなった群では、脳内のc-fos蛋白の陽性細胞数は有意に増加した。一方、非ツボ刺激では発現の増加傾向は観察されたものの統計学的な有意差は無かった。(1)、(2)とも、足三里穴相当部位が刺激による影響が最も強い傾向であり、非ツボ部位への刺激は最も影響が低い傾向であった。 以上から、ツボに対する刺激は部位特異性を示す可能性が示唆されるとともに、より効果的であると考えられる部位の選定ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度においては、一部、海馬におけるGABAのサンプル回収が実施できていないものの、ターゲット組織である視床下部、ならびに側坐核からのサンプル回収は予定通り済ませており、ヒスタミン、ドーパミンについての解析も済ませている。また同部位における神経活動マーカーの組織標本の回収は済ませており、解析もおおむね済んでいる。以上からおおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、27年度に明らかとなった刺激対象部位に対し、刺激の種類の差による効果の相違について検討する。具体的には皮膚への刺激により、27年度で得られたような効果が得られるのか、また刺激の種類による部位特異的な影響があるのか、について、前年度と同様の評価手法により比較、検討する。
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Causes of Carryover |
本実験の遂行に際し、海馬におけるサンプルの回収が予定通り遂行でき無かったため、必要物品の購入に至らなかったことから次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初より計画されていた研究を本年度遂行するため、必要備品の購入があることから、当該予算を充てて、これらを購入するために使用する予定である。
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