2015 Fiscal Year Research-status Report
糖代謝異常妊婦に最適な糖質摂取量の決定と糖質管理のための栄養指導方法の確立
Project/Area Number |
15K01696
|
Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
山本 周美 武庫川女子大学短期大学部, 食生活学科, 准教授 (60441234)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和栗 雅子 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 母性内科, 部長 (80538900)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 糖代謝異常 / 妊娠 / 糖質管理 / カーボカウント / 食事療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
良好な血糖コントロールを行うには血糖値にもっとも大きく影響する糖質の摂取量を把握、管理することが重要であるが、食品および料理中の糖質量を見積もることは難しいとされている。妊娠中は厳格な血糖管理、糖質管理が必要となるが、糖代謝異常妊婦の糖質の見積もり能力を評価した研究はない。そこで本研究では糖代謝異常妊婦および妊娠前管理女性を対象に糖質量の見積もり能力を調査し、糖質量の見積もりに影響する因子を明らかにすることを目的とした。研究参加に同意の得られた対象者に30種あるいは15種類の食品および料理の糖質量とエネルギー量の回答を依頼した。回答された糖質量とエネルギー量は真値との差を算出し、真値との差が±10%以内であったものを正解として正答率を算出した。さらに、糖質量の正答率に基づき見積もり良好群と不良群に群分けし、それぞれの対象者の身体計測値、血糖指標、カーボカウント実施の有無を比較した。対象は糖代謝異常妊婦21名、妊娠前管理女性9名の計30名であった。全対象者の糖質量の正答率は23.5 ± 17.6%、エネルギー量は15.6 ± 12.8%であり、食品や料理の種類に関わらず、エネルギー量が高くなるほど糖質量を多く見積もる傾向がみられた。炭水化物、たんぱく質を含む食品は糖質が過度に見積もられ、たんぱく質食品は調理の付加によりさらに過大に見積もられた。糖質量の過大見積もりは、摂取する糖質量に応じてインスリンを調整する場合にはインスリンの単位数が多くなり低血糖をきたす可能性がある。糖質を多く含む間食、過大見積もりが顕著であったたんぱく質、またその調理による付加(揚げ衣、砂糖やみりんなどの調味料)について、糖質量を正しく把握できるよう栄養指導することが必要であることを見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
糖質量の見積もりに関する検討は完遂でき、論文にまとめることができた(現在投稿中)。糖代謝異常妊婦の糖質摂取量の調査と身体活動量の調査は倫理審査を受けている最中であり、研究実施許可が得られ次第、進めていきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
糖代謝異常妊婦および妊娠前管理の糖代謝女性はいずれも糖質の見積もりが正答率3割未満と低かった。今後は摂取すべき糖質量に関する調査をスタートさせ、最適糖質摂取量を見出すとともに、糖質の見積もり能力向上のための栄養指導の方法開発へと進めていく方針である。
|
Causes of Carryover |
基礎代謝量の測定に必要なマウスピースを購入する予定であったが、倫理審査が現在審査中であり、購入に至らなかったため繰越金が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究実施の許可が下り次第、食事調査および身体活動量調査を進める。基礎代謝量の測定に使用するマウスピース、食事調査の費用、身体活動量計の電池の費用として使用する。
|
Research Products
(2 results)