2015 Fiscal Year Research-status Report
心臓と骨の連関から考える運動療法による慢性心不全・骨粗鬆症の革新的治療戦略
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15K01700
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松本 泰治 東北大学, 大学病院, 助教 (90600528)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 運動療法 / 骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスの左冠動脈前下行枝結紮術により心筋梗塞を作成し、心機能障害を生じさせたマウスモデルを作成した。同様の手技で、冠動脈の結紮だけを行わないSham手術群も同時に作成を行った。まず野生型マウスを用い、手術時の週齢を8週齢及び16週齢、術後観察週数を4週、8週、16週とし、雄性、雌性、卵巣摘出を行った雌性のそれぞれの条件において野生型マウスを用いて条件検討を行った。安楽死後に大腿骨を摘出し、quantitative-CTによる解析を行い骨密度の測定を行ったが、心筋梗塞群とSham手術群の間に有意な差はみられなかった。次に、我々は遺伝子改変マウスモデルに同様の手技で急性心筋梗塞を作成した心機能障害マウスモデルを作成した。また、心筋梗塞モデルに、トレッドミルによる運動療法を30分/日、5日/週行った。
遺伝子改変マウスにおいて、心筋梗塞作成後、心筋梗塞群においてSham手術群と比較し、大腿骨の骨密度が有意に低下することが観察された。血中骨代謝マーカーの測定も行い、骨吸収マーカーは心筋梗塞群において有意に上昇を認めた。また骨密度と心臓超音波検査で測定した心機能および骨吸収マーカーとの間に有意な相関関係を認め、骨密度・皮質骨厚と骨強度の間にも有意な相関関係を認めた。トレッドミルによる運動療法の結果、心筋梗塞後の骨密度低下を予防する傾向を認めた。
従って、平成27年度の予定は、概ね、予定取り遂行できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りの進行中である
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Strategy for Future Research Activity |
運動療法が骨に与える分子機序を探索する予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度に、海外学会への参加を2回予定していたが、1回のみの参加となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、国内および海外学会への参加を計画しており、平成27年度分と併せて執行する。
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