2015 Fiscal Year Research-status Report
高齢慢性腎不全患者への透析中の運動による廃用予防の研究
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15K01702
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
三浦 美佐 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (30612014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 修 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00361072)
平山 暁 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (20323298)
上月 正博 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70234698)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 慢性腎不全患者 / 高齢者 / 血液透析患者 / 透析中の運動 / 腎臓リハビリテーション / 電動アシスト自転車 / 負荷量可変型自転車 / 透析効率 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国の人口高齢化に伴い、増加し続ける高齢慢性腎不全(以下CKD)透析患者と介護の重度化は、現在社会問題となっている。本研究では、高齢CKD透析患者における多臓器保護効果や心血管機能改善・運動耐容能改善効果を発揮するための至適条件が明らかになることで、長期的運動が高齢CKD患者の生理代謝に与えるバックグラウンドメカニズムの解明、心血管系合併症の発生の阻止、体力やQOLの改善、さらには、介護予防のための有効な治療法の確立が期待される。症例数は、71名で、コントロール群39名、電動アシスト自転車運動(以下EA)群10名、負荷量可変式運動(ER)群22名の3群に分け実施した。EA群では、透析中に電動アシスト自転車を用いた下肢運動を、週3回の透析の4時間の透析時間の開始2時間以内に開始し、10~15分間の運動を、休憩を入れながら個々の体力に応じ、合計30分程度実施し、12週間継続した。一方、負荷量可変式自転車運動群では、透析中に負荷量可変式自転車を用いた下肢運動を行った。具体的な運動強度設定は、運動耐容能測定における有酸素運動のレベル設定範囲内(11~13RPE)で行った。12週間の介入の結果、対照群に変化は認められなかったが、EA群では下肢筋力に低下が認められ、ER群では皮下脂肪厚が減少、上腕筋断面積の増加、下肢筋の持久力向上、運動耐容能増加、動的バランス能力改善が認められた。その他のパラメータでは、全群で変化は認められなかった。また12週間の介入中に、運動が原因と推定される有害事象の発生や新たな心血管イベントの発生がなく実施できた。これらのことから、EAも ERも高齢CKD患者の透析中の運動として有効であるが、それぞれ異なる作用があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿って、概ね進行できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、介入期間や頻度、QOL調査や各種生化学検査から比較検討し、個人の状況に応じたテーラーメイドのプログラムを検討していきたい。
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Causes of Carryover |
消耗品が安く購入できたこと。また、研究代表者と研究分担者、研究協力者のみで実施できたため謝金が不要となったこと。そして、学会交通費と宿泊費に関わる出張費用が安価に予約できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
生化学検査用ELISAキット(単価10万円)を2セットを購入し、身体機能改善のバックグラウンドメカニズムを詳細に検討する予定。
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Research Products
(12 results)