2015 Fiscal Year Research-status Report
肥満を伴う認知症予防における、脾臓IL-10合成能及び門脈血GLP-1の重要性
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15K01721
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
後藤 孔郎 大分大学, 医学部, 助教 (10457624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正木 孝幸 大分大学, 医学部, 助教 (00423715)
植田 聡 大分大学, 医学部, 助教 (00624511)
柴田 洋孝 大分大学, 医学部, 教授 (20245484)
加隈 哲也 大分大学, 医学部, 講師 (80343359)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脾臓 / 炎症 / アルツハイマー型認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
雄ラットに通常食または高脂肪食(餌中の60%が脂肪成分)を2ヶ月摂取させ、通常食群と高脂肪食群に分ける。ただし、最初の1ヶ月間は浸透圧ミニポンプを用いて、各群にAβ(0.001mg/日)の持続中枢投与を行う。さらに高脂肪食群をSPX + PBS群、SPX + IL-10補充群とSham + PBS群に分ける。従って、通常食Sham群、高脂肪食Sham群、高脂肪食SPX群、高脂肪食SPX + IL-10補充群の4群を作製し、さらに1ヶ月飼育する。 a) 下部小腸でのGLP-1、DPP-4の発現や炎症反応、門脈血GLP-1濃度を検討する。b) 脳内のBDNF、Aβ、Aβの前駆体であるAPP(amyloid precursor protein)、炎症性サイトカインであるTNF-alpha、抗炎症性サイトカインであるIL-10含有量をELISAキットで測定する。c) 酸化ストレスの指標であるcaspase-9及びMG活性の指標であるIba-1の脳内発現を検討する。d) Aβ以外にAD発症の要因と考えられているリン酸化Tau蛋白質の脳内含有量を定量する。e) 脳内BDNF発現、MGの活性、AβやAPPおよびリン酸化Tau蛋白質脳内沈着について、免疫組織学的検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脾臓由来IL-10の低下は、GLP-1の分泌低下やDPP-4活性の亢進をもたらした。さらに、脳内の炎症性変化を促進させ、ミクログリア細胞の活性も亢進させた。それに伴い、アルツハイマー型認知症の発症予防効果が期待されるBDNFの発現を低下させることが明らかになった。しかし、脳内アミロイド関連タンパク質の沈着には影響を及ぼさなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今回、アミロイドβを脳室内投与した後の、各群でのアミロイドβ脳内沈着の程度を評価したが、有意な変化が見られなかった。今後、アミロイドβの投与量を増量するなどの再検討を試みる。
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