2015 Fiscal Year Research-status Report
運動による肝脂肪減少に骨格筋の代謝産物は寄与するのか
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15K01724
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
飛奈 卓郎 長崎県立大学, 看護栄養学部, 講師 (60509678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 宏暁 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (00078544)
吉村 英一 熊本県立大学, 環境共生学部, 講師 (70613214)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | βアミノイソ酪酸 / 血液分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な臓器が情報伝達物質や代謝産物などを放出して機能や代謝を調節する臓器間クロストークについて研究が進んでいる。我々は運動トレーニングによって肝臓の脂肪が減少するメカニズムを調査するために、骨格筋から血液中へ放出されるβアミノイソ酪酸(BAIBA)に注目をして研究を進めている。本年度はBAIBAの分析の立ち上げと、BAIBAの採血後の安定性について検証を行った。これは採血後どのタイミングで血液処理をすべきかを決めるための基礎情報を得るために実施したものである。 試料は静脈血として、凝固促進フィルムを含むプレイン管とEDTA-2Na管を用いて血清と血漿を得た。これらの試料を分注して室温、4℃、-30℃、-80℃の4条件で保存した。保存期間は、採血後12時間、24時間、3日、7日、14日、28日で、採血直後の血液を基準として比較をした。 BAIBAの分析にはLC/MS/MSを用いた。血液試料は分析直前に内部標準であるL-フェニルアラニン-d8とL-バリン-d8を含むメタノールで処理された。分離は親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)モードで行い、分子量86のフラグメントイオンのピークからBAIBAの濃度を求めた。 室温と4℃保存では血清、血漿とも採血直後12時と採血直後のデータでは有意差を認めなかったが、以降はBAIBAのの濃度が増加した。-30℃では3日以降にBAIBAの濃度が増加し、L-フェニルアラニン-d8補正とL-バリン-d8補正それぞれで平均83.5%と25.2%の高値となったが、-80℃ではそれぞれ平均8.1%と0.22%の高値であった。 本年度の実績として、BAIBAの分析を適切に行うためには採血後12時間以内に分離をして-80℃で保存することが望ましいとの結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は計画通りβアミノイソ酪酸の分析を立ち上げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
我々はメタボリックシンドロームのリスクを保有している者を対象に、運動トレーニングと食事制限の介入研究を実施している。本年度立ち上げた分析法を用いて、その研究で得た血液試料を分析してBAIBA濃度の変化を調査する。
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Causes of Carryover |
次年度の分析で使用する試薬の購入に当てるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
LC/MS/MSでの分析に用いる試薬の購入に使用する。
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