2016 Fiscal Year Research-status Report
運動による肝脂肪減少に骨格筋の代謝産物は寄与するのか
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15K01724
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
飛奈 卓郎 長崎県立大学, 看護栄養学部, 講師 (60509678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 宏暁 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (00078544)
吉村 英一 熊本県立大学, 環境共生学部, 准教授 (70613214)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | βアミノイソ酪酸 / メタボライト |
Outline of Annual Research Achievements |
肝臓に過度に脂肪が蓄積することは糖代謝を悪化させたり、肝硬変や肝臓ガンへと発展するリスクにもなるが、これまでの研究から、運動トレーニングや食事制限によって肝臓の脂肪が減少することが報告されている。運動によって骨格筋から血液中への放出が高まる物質(マイオカインや代謝産物)が全身の代謝に影響することも知られており、中でもβアミノイソ酪酸(BAIBA)は肝臓の脂質代謝を向上させる可能性が報告されている。本研究では運動や食事制限による肝脂肪の減少にBAIBAが関与するとの仮説を検証することを目的とし、本年度は運動トレーニングや食事制限によって血中のBAIBA濃度が増加するかを調査した。 対象者はメタボリックシンドロームの判定基準を1つでも有する者であり、無作為に運動群、食事制限群と観察群に分けられた。運動群は乳酸閾値強度の運動を週あたり300分、食事制限群はBMI22に相当する理想体重に25kcal/日を掛け合わせたエネルギーになるような食事を行い、介入期間は3ヶ月間とした。介入前後に空腹状態で得られた血液から、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)を用いたLC-MS/MSにて血中のBAIBAの濃度を分析した。 介入前後の変化を群内で比較したところ、運動群、食事制限群と観察群に有意差を認めなかった。また群間の比較においても有意差を認めなかった。BAIBAの変化量と栄養摂取状況の関係について、運動群では炭水化物と正の相関関係、レチノールと負の相関関係を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は計画通り、介入研究の血液分析を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
CTによって得られた肝臓の画像から、肝脂肪を定量してその変化とBAIBAの変化を比較する。
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Research Products
(2 results)