2015 Fiscal Year Research-status Report
脂溶性リガンド受容体シグナルからの骨格筋線維制御に関する研究
Project/Area Number |
15K01741
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Research Institution | Minatogawa College |
Principal Investigator |
足達 哲也 湊川短期大学, その他部局等, 教授 (60345014)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 脂溶性リガンド / GPCR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、骨格筋に発現する脂溶性リガンド受容体(GPCR)について、発現データベースにより検索を行った。その結果、多数のGPCRの発現が見出された。それらのGPCRの中で一例として、GPR30、GPR40、GPR120、GPR81、GPR41、GPR43、GPR109AおよびGPR109Bについて、骨格筋モデル細胞C2C12およびL6についてRT-PCR法による発現解析を行ったところ、特にGPR30が高発現を示した。他のGPCRについてはリアルタイムRT-PCR法を用いて、現在詳細な発現様式について進めているところである。C2C12、L6を用いて、受容体のリガンドとなる化合物を添加し、シグナル伝達からの細胞の応答性を解析を行った。GPR30のリガンドである17β-エストラジオールを刺激することによって、受容体からのシグナル伝達系の作用のうち、細胞内ERKのリン酸化が認められた。また、17β-エストラジオールを刺激することによって、WST-1アッセイによる細胞増殖性の促進が認められた。骨格筋細胞は分化機能を有するので、分化過程への作用に関する検討については現在進めているところである。細胞組織染色を施し、受容体のリガンドとなる化合物を添加し、分化の程度を評価を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の採択が半年遅れたので、本来行うべき計画より遅れが生じた。次年度以降は遅れを取り戻すべく、研究を加速ししてゆきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
筋サテライト細胞 (SC)の単離が未だ成功していないので、連携研究者とともにSCを単離培養し、脂溶性リガンド受容体の機能解析を加速させたい。また他の脂溶性リガンド受容体についても、27年度と同様な方法で機能解析を進めるとともに、受容体ノックダウンおよび過剰発現させることによって、リガンド刺激によるシグナル伝達系への作用について評価を行う。また、細胞機能性への作用についても同様に試験を行う。特に骨格筋細胞やSCは分化機能を有するため、ノックダウンおよび過剰発現の効果持続性のために、いくつかの遺伝子導入ベクターを検討することが必要となる。細胞の増殖および生存性や分化への影響のない遺伝子導入系を選び出し、受容体からのシグナル伝達系への作用と分化におよぼす影響について評価を行う。
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Causes of Carryover |
半年遅れの研究スタートであったため、当該年度で行うべき細胞単離実験系が次年度に移動したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該年度に進められなかった研究項目について、次年度において研究進め、さらなる研究加速させる予定である。
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[Journal Article] Androgen receptor silences thioredoxin-interacting protein and competitively inhibits glucocorticoid receptor-mediated apoptosis in pancreatic β-Cells.2015
Author(s)
Harada N, Katsuki T, Takahashi Y, Masuda T, Yoshinaga M, Adachi T, Izawa T, Kuwamura M, Nakano Y, Yamaji R, Inui H.
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Journal Title
J Cell Biochem.
Volume: 116
Pages: 998-1006
DOI
Peer Reviewed / Open Access