2016 Fiscal Year Research-status Report
神経筋シナプス活動を反映する血中新規バイオマーカーを用いた身体活動性の予後評価
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15K01743
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
周 赫英 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50750080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 聖二郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (50270848)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 骨格筋 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続き骨格筋において神経シナプス形成に必要のある膜蛋白Aの血中分泌型を定量的に測定し、機能解析とともに、健康長寿達成に向けた身体活動性の維持増進効果を評価するバイオマーカーとしての意義を確立する。 解析の結果、健康コホートにおいて、血中分子Aと体組成、身体活動能力との相関関係を解析したところ、単変量解析では筋量や身体機能、健康寿命(要介護認定または認定前死亡)と有意な関連を示したが、年齢で調整すると、その関連はすべて消失するという結果だった。高齢者では年齢と分子Aは極めて有意な正の相関を示すことが明らかとなった。 運動負荷により骨格筋から分子Aの分泌量の変動を確認するため、健常な高齢者に三ヶ月間運動・栄養介入を行った後、介入前後の血中分子A濃度を比較し、解析を行った。その結果、血中分子A濃度は運動によっても、栄養介入によっても上昇することがわかった。また、血中25OHDとの間に有意な負の相関が認められた。 一方、バイオバンクジャパン骨粗鬆症患者血清を用いた解析結果では、血中分子A濃度は年齢、腎機能、大腿骨骨密度と有意に相関していることがわかった。脊椎骨折の有無によって血中分子A濃度に有意な差は認められなかったが、脊椎骨折を有する症例で血中分子A濃度が高い傾向が見られた。健常者と異なる結果に、骨粗鬆症患者においては、血中分子Aと25OHDとの間に有意な相関関係は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新にモノクロ抗体を作成することができ、測定系を再構築した。 抗体が改良され、測定感度を上げることができたため、ゼロデータの問題は解消され、測定及び解析は順調に進むことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
サルコペニア患者を対象に、分泌型分子Aと各種マイオカイン測定を行うとともに、コホート追跡サンプルの解析も行い、本研究で得られた全てのデータを統合して、分泌型分子Aならびに各種マイオカインの血清バイオマーカーとしての臨床的意義を確立する。
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Causes of Carryover |
改良した抗体を使用したため、測定感度が上がり、データが安定し、繰り返し測定するサンプル数が減り、その分の試薬の節約が出来た。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
コホートを拡充し、その分の血中分子A及びマイオカイン測定費用に充てる。
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[Journal Article] Genetic risk score based on the prevalence of vertebral fracture in Japanese women with osteoporosis2016
Author(s)
Heying Zhou, Seijiro Mori, Tatsuro Ishizaki, Atsushi Takahashi, Koichi Matsuda, Yukihiro Koretsune, Shiro Minami, Masahiko Higashiyama, Shinji Imai, Kozo Yoshimori, Minoru Doita, Akira Yamada, Satoshi Nagayama, Kazuo Kaneko, Satoshi Asai, Masaki Shiono, Michiaki Kubo, Hideki Ito
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Journal Title
Bone Reports
Volume: 5
Pages: 168-172
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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