2016 Fiscal Year Research-status Report
家族システムケアアプローチを用いた周産期家族支援プログラムの開発研究
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15K01762
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
臼井 雅美 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 教授 (50349776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田久保 由美子 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (20385470)
島袋 香子 北里大学, 看護学部, 教授 (70206184)
園部 真美 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (70347821)
金子 あけみ 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (80588939)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 家族システム / 周産期 / 家族支援 / 初産婦夫婦 / 夫婦関係 / 親子関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 周産期の初めて親になる夫婦を対象に、ジェノグラム・エコマップ、円環パターン図を用いた認知・情動・行動面に対する家族システムケアアプローチによる家族支援プログラムを開発・実施し、その効果について検討した。 【実施計画】 平成28年度は昨年と同様に対象者のリクルートと介入群に家族システムケアアプローチによる周産期家族支援プログラム『プレママ・プレパパのためのファミリークラス(FC)』を実施し、産褥1か月健診時に個別で介入を行った。プログラムの評価として、初回のマタニティクラス開催前(介入前)および産褥2か月後(介入後)に自記式質問紙調査を行った。使用尺度は、①家族機能測定尺度FFS日本語版、②主観的幸福感、③自己効力感尺度、④合衆国国立精神保健研究所疫学的抑うつ尺度CES-D)である。なお、介入群についてはFC直後(介入直後)に上記①と②を実施した。また、介入群の産褥2か月後(介入後)に、ジェノグラム・エコマップによる家族構築のイメージおよび円環パターン図による夫婦・親子の関係性の変化についてインタビューガイドを用いた1時間以内の半構造化面接を行った。その結果、最終的に対象者は介入群17組(34名)、コントロール群19組(38名)の協力が得られた。 現在、収集したデータを分析している最中であるが、周産期家族支援プログラムは家族機能を高めることに働くことや、抑うつ状態であると家族機能は強化されない傾向は示された。また、全ての受講者がわかりやすく、満足したと答えていた。特にジェノグラム・エコマップを書いたことで「家族や夫婦の関係性を改めて認識できた」「ジェノグラムにまだおなかにいる子どもを書くことで子どもが生まれることを改めて認識できた」「自分のサポートとして家族だけでなく友人や同僚なども入ることが認識できた」など、家族やその関係性が可視化されることでの効果も得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
介入研究の実施および一部評価まで終了した。当初予定の対象者数より少なくなってしまったが、対象施設の助産所の分娩件数が減ってきており、また、初産婦の出産件数からは妥当な参加率といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
調査結果の分析を進め、周産期家族支援プログラムの評価を行う。その結果を関連学会に発表し、論文執筆、投稿予定である。
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Causes of Carryover |
本研究のプログラムを評価するにあたり、研鑽を得るため、「アタッチメントと精神病理」および「Infant/Toddler CARE-Index」講習会を受講する予定であったが、 講師のやむ得ない事情により来日が不可能となったため、中止となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究結果の分析を進めるにあたって、分析ソフトのバージョンアップが必要であること、研究成果の一部を第13回国際家族看護学会(スペイン)に発表すること、論文化し海外雑誌に投稿するため予定通りの研究費を使用することとなる。
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