2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K01765
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
三宅 孝昭 大阪府立大学, 地域連携研究機構, 准教授 (80244672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 義昌 大阪府立大学, 地域連携研究機構, 准教授 (60173796)
坪内 伸司 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 准教授 (10188617)
田中 良晴 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 准教授 (60236651)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 身体活動量 / 幼児 / 免疫 / 保育 / 生活調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、幼児期における身体活動量が健康に及ぼす影響を明らかにするため、幼児の身体活動量の増加が、唾液中の免疫グロブリンA(以下s-IgA)にどのような影響を及ぼすのかについて検討することである。 今年度は、これまでに研究協力実績のある2つの保育施設と新たな1つの保育施設に対し、研究協力を依頼し、幼児の生活習慣の実態を把握するため、質問紙による生活調査(睡眠覚醒リズム、食習慣、遊び状況など)を実施した。調査は、次年度の測定を踏まえ、3,4歳児を対象にし、3施設の計62名から回答を得た(回収率80.5%)。また、身体活動量測定の実施にあたり、基礎的な身体能力を把握するため、体力・運動能力測定もあわせて実施した。 調査の結果、平均起床時刻は7時6分、平均就寝時刻は21時40分であった。起床時刻が8時以降の幼児は9.7%みられた。就寝時刻が21時より前に就寝している幼児は3.2%で、ほとんどの幼児は21時以降に就寝しており、22時以降に就寝している幼児も41.9%みられた。また、起床状況について、自分で起きることの多い幼児は30.7%、起こされることが多い幼児が40.3%、半々が29.0%であった。私達が行った過去の調査に比べ、起床時刻は一部を除いて遅くないが、就寝時刻は遅く、起こされる幼児が多い。このことから、睡眠不足で登園している幼児が多いと考えられる。 また、遊びの状況では、お絵かき、テレビ・ビデオ、ままごと等の遊びが多く、保育時間の長さを考慮すると、平日に外で遊ぶ幼児はほとんどなく、家の中で静かに遊んでいる様子が伺えた。 体力・運動能力測定の結果、年齢により差はみられるが、全国平均に比べ、身長が高い傾向にあった。また、全体的に筋持久力は低い傾向にあったが、敏捷性、平衡性はどの年齢においても高い値を示した。身体能力において、特に問題のある幼児はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、保育施設の保育内容に介入して、身体活動量を増加させる保育内容を行い、それによって免疫がどのように変化するか検討するものである。そのためには、保育施設の園長をはじめ、担任保育士の理解と協力が不可欠であり、保育施設に研究の趣旨と重要性、内容について理解をしてもらい、信頼関係を築いていくことが重要となる。 今年度、これまで最も研究協力実績のあった保育施設の幼児の身体活動量は、過去の測定結果から、他の保育施設に比べて比較的多く、保育内容による身体活動量の増加は難しいとの判断から、身体活動量が多くない新たな保育施設を見つけ、信頼を得て、研究協力関係を築くことに重点を置いた。 その結果、1保育施設に研究協力関係のきっかけをつくることができたが、本研究の本質的な内容の測定まで及ばず、対象児の生活状況を把握するための質問紙による生活調査と基礎的身体能力の把握を行った。 また、これまで協力関係のある他の保育施設においても、各施設の諸事情により、保育内容に介入する本研究の具体的な協力までには至らず、対象児の生活状況を把握するための質問紙による生活調査の実施と、基礎的身体能力の把握にとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今年度に生活調査及び体力・運動能力測定を行った保育施設に、本研究の具体的な研究内容を説明し、研究協力を仰いでいく方針である。 これまで既に研究協力関係が構築できているK保育園においては、本研究の実施は可能であるが、これまでの測定結果から日常の身体活動量が多いため、再度保育内容の検討も含めて相談を行い、研究協力依頼を行う予定である。また、同じく研究協力関係にあるS保育園においては、年度末に園長の内諾を得ているが、具体的な測定方法、期間、保育内容などについては、新年度となり改めて担任保育士を含めて説明し、協力を得ていく予定である。 また、新たに研究協力関係を築き始めているO保育園については、再度丁寧な説明を行い、信頼関係を築き、最終的に本研究への協力を依頼したいと考えている。
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Causes of Carryover |
今年度は、これまで研究協力実績のあった保育施設の対象児の身体活動量が比較的多い傾向にあることから、今回の研究対象施設としてはあまり適当ではないと判断し、研究協力が得られる新たな保育施設を模索し、その施設との信頼関係を築くことに重点を置いた。そのため、本研究における本質的な研究実施までには至らず、質問紙による生活調査と基礎的身体能力測定にとどまったため、研究遂行に必要な消耗品や測定用具の購入、測定実施に伴う旅費、人件費などが少額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は、本研究を具体的に遂行するため、s-IgAの測定及び分析と、身体活動量の測定、分析を行う。そのため、s-IgAの測定及び分析に伴う消耗品及び身体活動量測定のための測定用具を購入する予定である。 また、各保育施設への研究協力の説明や測定実施に伴う旅費、データ処理と分析を行う人件費、研究協力者に対する謝金なども必要となる。
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Research Products
(3 results)