2015 Fiscal Year Research-status Report
園庭がない保育所における保育に関する研究:待機児童解消と子どもの発達保障の両立
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15K01769
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
細川 かおり 千葉大学, 教育学部, 教授 (50259199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 雅子 東京福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (10185457)
幸喜 健 東京福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (20636930)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 園庭のない保育所 / 保育環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度においては「園庭がない保育所という環境が子どもの外遊びに及ぼす影響」については、子どもの外遊びの観察を行いデータを収集した。「土の園庭がなくテラスのみの園」と「土の園庭がある園」での外遊びをVTR録画して分析したところ、テラスのみの園では「自然」や「ごっこ遊び」の出現が少なかった。テラスのみの園でこうした遊びが出現する環境、さらには子どもの遊び環境としてのテラスの環境をどうつくっていくかを検討することが課題と考えられた。 「園庭がない保育園の管理運営に関するインタビュー調査」では、園庭がなくテラスのみの園を訪問して園長または主任にインタビュー調査を実施した。土の園庭がなくテラスのみでは様々な使いにくさがありその使いにくさにはいくつかの共通点もみられた。しかし予測以上に使いにくさに対応する様々な工夫がこらされている園もあり、これには設置年数や園の保育方針が大きく影響していると推測された。 そもそも保育士が園庭の機能をどう捉えているか「保育における園庭の機能について」アンケート調査を実施した。441名から回答を得たが、その結果園庭には「体を動かす」「砂場やどろんこ遊び」、散歩には「草花や小動物に触れる」が期待されていた。一方園庭では「探索活動を保障する」は最も少なく、これは現在の園庭が「運動場や遊具のある広場」といった仕様になっており、子どもの探索心や探究心を刺激する環境としては不十分なためとも考えられ、今後園庭のあり方として研究すべき点と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「<研究3>保育における園庭の機能に関する研究」はデータの収集、分析を終え平成27年度に成果を発表した。「<研究1>園庭がない保育所という環境が子どもの外遊びに及ぼす影響」および「<研究4>園庭がない保育園の管理運営に関するインタビュー調査」についてはデータの収集、分析を行った。<研究1>については平成27年度に一部結果を発表し、<研究2>については平成28年度に発表予定である。なお、<研究1><研究4>については引き続きデータを収集していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
<研究1>および<研究4>については引き続きデータの収集を行う予定である。平成27年度の研究結果からテラスでの遊びには「自然」「ごっこ遊び」の出現が少なく、こうした遊びを多く出現させる環境、さらに保育の中で子どもに体験させたいことと照らしあわせて、テラスでの遊びを豊かにする環境について考えていくことが課題と考えられたことから、テラスでの遊びの観察においては園数を増やして検討するというより「テラスの環境の改善と新たな環境が子どもの遊びに及ぼす影響」について一園を継続的に検討することとした(研究1に含まれる)。また「<研究2>子どもの運動に及ぼす影響について」に着手し、「<研究5>保育士の保育方法及び意識に及ぼす影響に関する研究」の予備的な調査を行う予定でいる。
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Causes of Carryover |
平成28年度から着手する「<研究2>子どもの運動に及ぼす影響に関する研究」において、子どもの運動を測定する器機を平成27年度に購入予定であったが、より適切な測定器機についての検討に時間を要しているため、平成28年度に購入することとした。そのため次年度使用額が生じた。なお<研究2>は平成28年度、29年度に主に行う予定であるために支障はない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額の主たる使用は、子どもの運動を測定する器機の購入にあてる。
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Research Products
(2 results)