2018 Fiscal Year Research-status Report
「子どもにやさしいまち」づくりのための自治体子ども施策評価検証メカニズム
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15K01774
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
内田 塔子 東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (80329036)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自治体子ども政策 / 評価検証 / 国連・子どもの権利条約 / 子どもにやさしいまちづくり / 子ども参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
4年目(当初は最終年度の予定であったが、さらに1年延長)となる平成30年度は、これまでの国内外における調査結果を総括するとともに、研究成果の一部をオーストリア・ウィーンで開催されたChild in the City World Conference 2018で発表することができた。 本研究では、子どもにやさしいまちづくりのための自治体子ども政策の評価検証について、インドネシア・ネパール・韓国・日本の事例から、それぞれの特徴と課題を分析した。インドネシアとネパールは、国が自治体の評価指標を作成し、指標を満たす自治体を表彰する制度を導入している。韓国では、自治体独自に評価を行う事例と、ユニセフが自治体を認証評価する事例があり、後者が増加傾向にある。日本では、政策評価法に基づき、PDCAサイクルに則って自治体が自己評価を行う事例が多いなか、条約批准後、自治体独自に評価検証を実施する自治体が少しずつ増加している。国やユニセフによる認証評価制度は、子どもにやさしいまちづくりに必要な要素を指標化することで、各自治体が取り組むべき内容を明確化するとともに、国やユニセフによる表彰が、自治体のモチベーションをあげ、子どもにやさしいまちづくりの促進を期待できる反面、地方自治の視点が弱いと、評価指標が一律になり自治体個々の問題を捉えきれず、結果として認証評価制度そのものの信頼性や妥当性が問われることになることが明らかになった。 本研究は、子どもの権利を基盤とした自治体子ども政策の評価検証に関する研究のさきがけとして意義があるが、自治体子ども政策の評価検証制度の比較研究からさらに発展させ、評価検証結果がその後のまちづくりにどのように活かされているかまで視野に入れた検討をすることが今後の課題である。この点は次の研究課題に引き継いでいくこととなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、これまでの研究総括を行い、研究成果の一部を発表することができたが、3年目に新たに調査対象として追加したネパールについて、今年度追加調査を予定していたが、ネパールの国内情勢の変化により実施できなかったため、「おおむね順調」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年間延長し、ネパールにおける追加調査を実施したうえで、本研究の総括を行う。
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Causes of Carryover |
平成30年度に予定していたネパールにおける追加調査について、ネパールの国内情勢の変化により実施できず、次年度に持ち越したため。 ネパール旅費・宿泊費・通訳者への謝金として使用予定。
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Research Products
(1 results)