2015 Fiscal Year Research-status Report
認定こども園における遊びの質を保障する園庭環境評価規準(幼児版)の試案作成
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15K01778
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Research Institution | Toyama University of International Studies |
Principal Investigator |
石倉 卓子 富山国際大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (90461855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 好美 富山国際大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20469472)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 認定こども園 / 園庭環境 / 遊びの質 / 園評価 / 幼児 |
Outline of Annual Research Achievements |
富山県、東京都、愛知県、福岡県、全8件の認定こども園を訪問し、園長より園の概要、園庭環境及び園庭使用の現状等を聴取・調査した。対象は、幼保連携型認定こども園7件、幼稚園型認定こども園1件である。調査の結果、保育全般については保育教諭のこれまでの経歴や経験の違いによって子どもの生活や遊びへの援助の仕方が異なることや、よりよい保育のための施設使用の在り方を検討している実状が見えてきた。 認定こども園の移行については、地域の幼稚園と保育所を統合した園や保育所を増設した園、改築して同園舎にした園などがあり、それに伴って、0,1,2歳児と3歳以上児の園庭をそれぞれ別の場所に設置している園、同じ敷地内にはあるが柵などで仕切っている園、園庭を全体で共有している園があることを確認した。 園庭環境については、0,1,2歳児の園庭に芝を植えている園、太陽エネルギーや井戸水を利用している園、運動場のようにかなり広い園など、園によって特徴的な部分と、規模の違いこそあるが、畑の設置や種類の違う土の配置、大木や果樹、遊具コーナーのように共通する部分も確認できた。園庭の使用状況については、人数が多くなったためクラス毎に時間を区切って遊んでいる園や、0,1,2歳児と3歳以上児の使用時間帯を分けている園、3歳以上児の園庭を時々0,1,2歳児が使用する園もあることが分かった。 保育教諭養成課程研究会保育教諭専門性部会においては東京都の連携研究者の協力を得て、上記の認定こども園を含む全国22園を対象に質問紙調査を実施し、園庭の使い方についての配慮点について現在分析中である。富山県での協力園では、愛知県・福岡県の連携研究者の助言を生かし、27年度冬期の遊びを観察・記録し、保育教諭に質問紙及び聞き取り調査を行った。今後は、28年度の春期、夏期、秋期の遊びも同様に観察・記録し、研究を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年度は、年度当初から富山県の協力園における遊びの観察記録を順次行っていく予定であったが、次年度(28年度)に評価規準(試案)を検討していただく全国(東京都、愛知県、福岡県)の協力園選定と、その地域の連携協力者に研究方法について再度助言をいただくことが先となり、協力園での観察記録と保育教諭への記録記入は1,2月分のみ行っており、4期分ずれ込むこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
富山県の協力園において、ビデオカメラとデジタルカメラ、筆記による観察記録を行い、そこで働く研究支援者の保育教諭3名(3,4,5歳児担任各1名)に、各期ごとの園庭での遊び記録をとっていただき、研究支援者と研究代表者・研究分担者が共同で遊びと教育にかかわる5領域の関係について整理する(4,5月、6-8月、9,10月、11,12月)。その内容を園庭評価規準試案としてまとめる。年度の後半には、全国の協力園や連携研究者に試案について助言をいただき、修正したものを最終年度初めに全国の認定こども園(150園を想定)に発送し、園庭の現状を記入いただく。そこからさらに修正を加え試案の完成度を高いものにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
富山県の協力園における観察記録が4期分遅れているため、そこにかかる研究補助費、研究支援者雇用費、園観察費等が25万円程度次年度に繰り越すこととなった。また、旅費については、連携研究者4名が富山県の協力園を訪問調査する分を予算化していたが、次年度(28年度)の全国(東京都、愛知県、福岡県)の協力園を先に決定するための、研究代表者による訪問が先となり、20万円程度マイナスとなった。さらに、連携研究者より、園庭シュミレーションのための通信費無料のサイトの紹介があり、6万円程度マイナスとなっている。しかし、この通信費については試案作成のために必要になることが予想され、次年度に持ち越すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
協力園の観察記録に伴う研究補助費、研究支援者雇用費等で次年度に30万円の上乗せ、連携研究者4名が富山県協力園で専門的知識を提供する費用等で次年度25万円程度の上乗せ、通信費等で次年度6万円程度の上乗せとなる。
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Research Products
(2 results)