2017 Fiscal Year Annual Research Report
Quality of childcare and cutting the chain of poverty -developing childcare indices for identification-
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15K01783
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
梅崎 高行 甲南女子大学, 人間科学部, 准教授 (00350439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山際 勇一郎 首都大学東京, 都市教養学部, 准教授 (00230342)
青柳 肇 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20121056)
高 向山 常葉大学, 健康プロデュース学部, 准教授 (60410495)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 貧困のサイン / 保育者の語り / 貧困のサインを示す概念図 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国では,子どもの貧困問題への対応が急務となっている。人生初期の支援がその後の社会適応にもっとも有効であるといった知見により,この時期の子どもと家庭に接する保育所が,福祉機能を発揮することへの期待が高まっている。しかし問題の認識には依然,各園や地域間で差も見られる。そこで本研究は,貧困問題へ先駆的に取り組む保育所に聞き取り調査を行い,支援に有効な視点を収集した。 調査期間は2017年3月~4月と9月であり,15(公立3,私立12。関西12,九州3。夜間保育所2(関西1,九州1)。宗教法人3(キリスト教2,仏教1))園から19名の協力を得た。対象保育者の平均保育歴は26.29(SD11.89)年であり,先行研究(平松,2016;塚本, 2016)を参照に,子どもと保護者が示す貧困のサインをリストアップした上で,これら項目の重得度と理由,また,他に付け加えるべき項目がないかについて尋ねた。 この結果,子どもと保護者が示す貧困のサインとして,先行研究から抽出された10項目を含む全23項目がリストアップされ,問題の相互関係を表す概念図として整理された。この図では,子どもの内的(internalizing)/外的(externalizing)それぞれの問題傾向に関わる2つの不適切な養育(育児放棄(neglect)系と虐待(abuse)系)が想定された。また,関連して語られた子どもや保護者の「変化への着目」と「子どもに聞く方法(/話さない場合もある)」とが,家庭が抱える貧困問題に気づくための具体的行為として付け加えられた。 当概念図は,研究の当初目的であったチェックリストとしての整理に比べ,貧困問題の全容を把握し,各園で在園児の一人ひとりに目を向けるに当たって有効であると考えられた。この図を基礎資料として,人生初期の不利に対し保育所ができる支援について,議論を深めることが期待された。
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Research Products
(1 results)