2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K01784
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
久津木 文 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 准教授 (90581231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田浦 秀幸 立命館大学, 言語教育情報研究科, 教授 (40313738)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バイリンガル / 認知 / 実行機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度に収集した予備実験のなかでも行動データ及び質問紙データの整理、分析作業を進め、一部を国際学会(ICIS)にて発表した。発表では、実行機能の行動課題の結果と、実行機能系のなかでも衝動抑制の指標であった気質質問紙の下位項目の回答と心の理論課題の得点、みたて理解(意図理解及び表象操作能力)との関連を検討した。その結果みたて理解でも意図理解には、心の理論が特に関連しており、表象操作のレベルでは、実行機能系のなかでもCoolEFが関わっていることが示唆され、概ね、先行研究で示唆されている実行機能系の種類の違いとそれが関与する能力との関係を支持する結果が得られた。つまり、みたての理解に必要な他者の視点の理解には他者の心的状態を忖度する能力が関与し、みたてに用いられた事物とそれが表わすものを区別してイメージとして保持する能力にはストループ課題遂行に必要なCooLEFの関わりが必要であることが明らかになった。 他課題との関係が先行研究と同傾向を示すことから、課題の有効性が確認されたといえる。 まだ分析中のデータもあることから、その結果を次年度にかけて予定である。 上記の2015年度に使用した予備実験の課題には特に大きな問題はなかったものの、本年度は遂行上改良したほうが良い点の調整・変更を行い、本実験用の課題を完成させた。 新規に作成した本実験課題を用いて、本年度はモノリンガル及びバイリンガル環境で育つ幼児(各約30名)を対象に実験を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に問題なく進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度のデータ分析を進めながら、追加データの収集を行う予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度のデータ分析に時間がかかり、今年度のデータ分析のためのバイト代の一部が未使用となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データは収集されているので、次年度にデータ分析を進める。
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Research Products
(10 results)