2017 Fiscal Year Research-status Report
家庭的保育施設における戸外活動の実態と地域資源の役割
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15K01785
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
辻川 ひとみ 帝塚山大学, 現代生活学部, 准教授 (70388883)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 家庭的保育 / 地域型保育 / 保育施設 / 戸外活動 / 地域資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒアリング調査で調査対象とした家庭的保育施設が実施している戸外活動ルートについて追跡観察調査を行う事で、家庭的保育施設の戸外活動における活動内容の実態の詳細を明らかにし、地域資源活用の可能性と家庭的保育施設と地域との連携について考察する事を目的としている。追跡観察調査は、既報のアンケート調査で分析対象とした施設において、地域資源を多く保有し、且つそれらを戸外活動に利用している割合が高い施設を調査対象とし、「工業地」を除く5つの地域特性タイプに2件ずつについて行うことを予定していたが、前年度の平成28年度に調査予定であった「開発完了住宅地」に立地する施設のうち1件について、急遽施設側の都合で閉園になり、調査が中止となってしまったことから、それを補う1件分の追加調査を行った。調査対象施設では、施設長に対して施設が実施している全ての戸外活動のルートについて詳細なヒアリング調査を行うとともに、「人」資源として区民センターを活用したBタイプの戸外活動と「体」資源である緑地と「人」資源である高齢者施設を活用したDタイプの戸外活動について、詳細な実態調査を行うことができた。また、昨年度までの調査でも、市民センターなどの「人」資源を利用して、多世代の人々と交流する体験を行っていた活動は見られたが、デイサービスセンター(老人ホームを併設)といった高齢者施設を訪問する形で「人」資源を利用し、児童が積極的に高齢者との交流を図る活動は本調査対象施設の戸外活動のみであった。このような高齢者との交流は幼い児童にとって、教育面でも貴重な体験であると言えるだけでなく、高齢者にとっても幼い児童と接する貴重な機会であり、この機会を心待ちにする高齢者も多くいる事が高齢者施設長のヒアリングから明らかとなり、本調査対象戸外活動ルートでは両施設にとってメリットが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成28年度に実施予定であった調査の一部が、対象施設の閉園により実施できなくなり、それを補うための追加調査を平成29年度に実施する必要が生じ、その調査を行った。平成29年度は本来ならば、本研究の最終年度であり、調査結果を分析し、論文を執筆する予定であったが、前述の調査実施が1年遅れてしまったことに加え、研究代表者が平成29年4月より学科長職に就いたことにより、補助事業の申請当時は予測できなかった学科運営業務が生じ、分析及び論文執筆の作業に支障をきたしてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度では、これまでに実施した全ての調査結果を整理し、施設を取り巻く物理的環境との関係について更なる分析を行い、それらの結果から家庭的保育が行う地域資源を利用した戸外活動の在り方やそれをサポートする自治体の支援方法、さらには施設を取り巻く都市環境の在り方と施設の立地条件までを含めた提案を行い、関連学会において査読付き論文の投稿を行う予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)平成29年度に査読付き論文を投稿する予定であったが、分析および論文執筆を終えることができず、論文投稿費として計上していた分の金額が未使用となった。
(使用計画)論文投稿に関わる費用として、使用する。
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