2017 Fiscal Year Annual Research Report
The relevance of infant-care behavior and a hormone level in the male of common marmoset.
Project/Area Number |
15K01791
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
池田 明子 (中神明子) 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 微細構造研究部, 研究生 (30511232)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マーモセット / 父親 / 育児 |
Outline of Annual Research Achievements |
子どもの成長発達には両親の存在が様々な影響を与えると言われる。近年は社会が核家族化されており、父親の育児参加が重要視されている。少子化対策の観点からも父親の育児参加を促す政策が推進されている。ヒトと近縁な霊長類であるコモン・マーモセットは一頭のオスと一頭のメスを夫婦としこの夫婦を中心に家族を形成している。母獣は1回に2から3頭の子どもを出産するために、父親であるオスも子の養育を行うという特徴を持つ。マーモセットでは、父性によって脳の構造変化が生じることが示唆されており、本研究ではこの父性に関係するホルモンであるオキシトシンレベルと父親の養育行動との関連を検討し、さらに父性レベルによって子にどのような影響をもたらすのかを子のストレス耐性による検討を行うことが目的である。 29年度は28年度に引き続き、妊娠したペアのオスの採血や唾液採取を行い、サンプルを集積した。一方でペアになっていないオスとの比較をするために、シングル・オスのサンプリングも実施した。オキシトシンをはじめとしたホルモンの分泌には、日内変動があるために測定時間を朝起床後の静かな時間帯に設定し、主に血液サンプルを収集した。28年度にどのようなマーモセットでもストレスなく唾液採取が実施できる方法を開発し、この方法を用いてサンプル収集を行った。これは捕獲などによって生じる情動変化がない状態の、平常安静時のホルモン状態を反映できているために、マーモセットのストレスホルモンを測定する際には非常に重要な前提であった。ストレスホルモンであるコルチゾールは、マーモセットの血中でも唾液中でも、午前中の値が午後の値よりも高いことが示された。このことよりマーモセットの唾液中コルチゾールはストレスレベルを測定するための指標となりうると言える。また、オスのオキシトシンレベルは個体差が大きく、非妊娠のメスはあまり個体差がなかった。
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Research Products
(3 results)