2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms of the cellular signaling by which inorganic polyphosphate promotes calcification on osteoblastic cell
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15K01793
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
堤 香織 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (80344505)
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2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | ポリリン酸 / 石灰化 / ATP / ミトコンドリア |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ポリリン酸がマウス骨芽細胞様細胞の石灰化を促進する分子機構を明らかにすることを目的とした。ポリリン酸による石灰化促進効果に有効なポリリン酸鎖長について選別し、平均ポリリン酸鎖長14、60、130の3種類を用いて骨芽細胞様細胞MC3T3-E1に対する石灰化促進効果をアリザリンレッド染色によって観察したところ、60>14>130の順で促進効果が高いことがわかった。平均鎖長60のポリリン酸で細胞を処理したところ、処理後10分でコントロールと比べて有意な細胞内ATP濃度の低下が観察され、ポリリン酸が細胞内ヌクレオチド代謝に影響を及ぼしている可能性が示唆された。また、ミトコンドリアの膜電位依存的にミトコンドリアを染色することの可能な蛍光指示薬Mitotrackerによってポリリン酸処理細胞を染色したところ、膜電位がコントロール群と比較して優位に低下していることがわかった。これは、研究者らによる電子顕微鏡的形態観察におけるポリリン酸処理細胞のミトコンドリアの膨潤と一致する結果である。ミトコンドリアの分裂と融合の存在比を4段階で評価を行ったがポリリン酸処理細胞とコントロール群に大きな差異は認められなかった。ATP含有量に対するADP/含有量の比について検討したところ、ポリリン酸で処理した細胞内のADP/ATP比はコントロール群と比較して優位に高く、細胞内ATPのADPへの変換が細胞内ATP量の低下の要因の一つと考えられた。
マウス骨芽細胞様細胞株に対するポリリン酸石灰化促進効果は、ポリリン酸処理によって細胞内ATP濃度が低下しミトコンドリア膜電位が低下することが石灰化促進の一要因である可能性が示唆された。今後、更に詳細について明らかにしたい。
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Research Products
(1 results)
