2015 Fiscal Year Research-status Report
臨床化学的手法を基盤とする先天性胆汁酸代謝異常症の病態解析
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15K01809
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
飯田 隆 日本大学, 文理学部, 教授 (60060125)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | IEBAM疾患 / NPDC疾患 / LC-MS/MS / 異常胆汁酸 / 多重抱合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、生体内の先天性胆汁酸代謝異常 (IEBAM) による先天性奇形疾患であるニーマン-ピック病C1(Niemann-Pick Disease type C1; NPDC)と3β-ヒドロキシ-Δ5-ステロイドデヒドロゲナーゼ/イソメラーゼ(3β-HSD)欠損症を対象とし、これら疾患の特異的指標(疾患マーカー分子)として期待される異常胆汁酸の代謝産物標品の化学合成を行うと共に、液体クロマトグラフィー-タンダム質量分析(LC-MS/MS)法を用いるメタボローム解析を行い、両疾患の個別確定診断法の開発に寄与することにある。なお、NPDC疾患は肝において、7-デヒドロコレステロール前駆体からコレステロールへの変換を司る酵素欠損症であることから、7-デヒドロコレステロール レダクターゼ欠損症(Dhcr7)とも称されている。 平成27年度においては先ず入手可能な胆汁酸原料ケノデオキシコール(CDCA)を用いて、遊離型異常胆汁酸である3β,7β-ジヒドロキシ-5-コレン酸(3β,7β-DH-Δ5-CA)の化学合成を行った。他に3α,7α-ジヒドロキシ-5-コレン酸及び3α,7α,12α-トリヒドロキシ-5-コレン酸、3-オキソ-5-コレン酸とそれらの多重抱合体の合成も検討した。これら標品合成には申請者らが先に開発した水酸基の反転反応、Ru, Osによる金属ポルフィリン錯体類による遠隔含酸官能基化等の反応を有効活用することにより達成した。 次に3β,7β-DH-Δ5-CAにおいて硫酸及びアミノ酸抱合型異常胆汁酸の化学合成を行った。通常、生体内胆汁酸は遊離型のみでなく、むしろそれらの殆どはアミノ酸(グリシン、タウリン)あるいは硫酸と種々の抱合体を形成して水溶性となり、体液中(尿、血清)に排泄される。そこで、上記の合成で得た非抱合体標品を種々の対応抱合体へと導いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まで、当初予定の標的化合物全ての化学合成には至っていないが、本疾患のバイオマーカーとして大いに期待される3β,7β-ジヒドロキシ-5-コレン酸(3β,7β-DH-Δ5-CA)及びその多重抱合体の化学合成を達成した。これらの研究成果を利用し更なる標品の合成を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、疾患マーカー候補化合物の化学合成を進め、予定している全ての目的化合物を得る。 次いで各種抱合型胆汁酸類のLC-MS/MSによるメタボロミクス条件の検討を行い、全ての抱合体標品を用いてグラジェント分析に付し、最も効率のよい分離条件を見出ことで保持時間とm/zによる二次元マップを作成し、各化合物のスポットを同定・確認する計画である。
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Research Products
(1 results)