2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of next generation untaregeted metabolomics methodologies using LC-MS/MS
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15K01812
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
津川 裕司 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (30647235)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 質量分析インフォマティクス / メタボロミクス / エピメタボライト / ノンターゲット解析 / メタボローム解析 / 化合物同定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に,2018年に掲載が確定したNature Methods 15, 53-56, 2018の内容について報告する.本内容は,これまで報告の無かった未開拓の代謝物群を「エピメタボライト」と定義し,そのエピメタボライトを同定するための3つの新しい「質量分析ケムインフォマティクス(化学情報学)」技術を開発したものであり,以下にその詳細を記載する. 1つ目は,既知および未知代謝物の発現量やマススペクトル情報を納めたメタボロームデータベース(BinBase)から,エピメタボライト候補を抽出するプログラム「BinVestigate」の開発である.本研究では,構造が未解明,かつ特定の検体で有意に発現しているという条件での検索により,乳がん,糞便,微生物,光合成生物,特定の薬を投与した臨床検体のそれぞれにおいて特異的に発現する代謝物を合計五つ,エピメタボライト候補として抽出した. 2つ目は,MS-DIALを改良し,どのタイプの装置からでも,高精度のマススペクトルを抽出できる技術を開発した.これにより,エピメタボライト候補の高精度スペクトルを円滑かつ高解像度で抽出でき,化合物同定の精度を飛躍的に向上させることに成功した. 3つ目は,MS-FINDERの改良である.今回,メチル化やアセチル化といった修飾を含むエピメタボライト構造を検索可能にし,未知のスペクトルに対して妥当性の高い候補化合物を効果的に絞り込む手法を構築することで,エピメタボライトの構造候補を絞り込みに大きく貢献した.予測された構造は実際に標準品の合成をすることで確認し,本手法の有効性の検証を行った.本研究により,これまで報告がなかった乳がん特異的に検出されるN-methyl UMPや腸内細菌が産生すると考えられるN-methyl alanineなど五つのエピメタボライト発見に成功した.
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Remarks |
研究代表者が管理しているメタボローム解析用プログラムを公開するWebページ.
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[Journal Article] Identifying metabolites by integrating metabolome databases with mass spectrometry cheminformatics2018
Author(s)
Zijuan Lai, Hiroshi Tsugawa, Gert Wohlgemuth, Sajjan Mehta, Matthew Mueller, Yuxuan Zheng, Atsushi Ogiwara, John Meissen, Megan Showalter, Kohei Takeuchi, Tobias Kind, Peter Beal, Masanori Arita, Oliver Fiehn
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Journal Title
Nature Methods
Volume: 15
Pages: 53-56
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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