2016 Fiscal Year Research-status Report
運動想起型相互適応BCIにおけるフィードバック訓練のための信号取得法
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15K01852
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
加納 慎一郎 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (00282103)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | BCI / 運動想起 / ニューロフィードバック / 信号限推定 / ICA / PCA |
Outline of Annual Research Achievements |
ユーザが身体動作を想起(イメージ)した際の脳波を検出する運動想起型BCI(brain-computer interface)の正答率向上のため,脳活動信号をユーザにリアルタイムで提示しながら課題の遂行を求めるニューロフィードバック(NF)訓練を行う際,被験者に提示するフィードバック情報を統計的手法により取得する方法を検討した. 本年度は,健常ヒト被験者に対して運動想起時のニューロフィードバック実験を行い,その短期間での効果を詳細に検討した.ニューロフィードバックの信号は,大脳運動野から生じるμ帯域脳波とした.運動想起に伴い,μ帯域脳波の強度は減少(event-related desynchronization: ERD)することが知られている.後頭部由来のα波は,μ波と類似した周波数帯域であり,課題遂行時に同じくERDが観測される.そのため,空間フィルタを適用して,μ波選択的に抽出してニューロフィードバックに用いた.本実験の結果,手掌の把持動作の想起に伴い生じるERDが,ニューロフィードバックを重ねるとともに増大し,またその頭皮上の空間分布が局在的になるケースが認められた.この結果は,ニューロフィードバックが,これまでの研究代表者の研究で示された結果よりも短い期間で顕著な効果をもたらす可能性を示すものである. さらに,脳波の信号源推定に基づいて脳内の責任部位から生じる脳活動を脳波から抽出するために,ソフトウェアBrainStormとそれに実装されている信号解析アルゴリズムを検証しながら準備を行った.今後は,階層的変分ベイズ法(VBMEG)と比較検討することにより,実験における解析に使用する準備を進める予定である. また,昨年度に引き続き,ICA,PCAを用いて,運動想起時に感覚運動野から生じる脳波を解析し,脳機能の観点から意味のある信号分割を行う方法について検討を継続している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳波計測装置の故障により,脳波の64チャネル計測が一時不可能となった.そのため,その間の計測信号の空間分解能が不十分である.2016年度と2017年度に代替装置を購入することで,以降の実験には支障はないことが見込まれる. 信号源推定手法を用いてニューロフィードバック信号を取得するための検討が遅れている. 階層的変分ベイズ法(variational Bayesian multimodal encephalography: VBMEG)を用いた方法などの数種類の方法の比較検討,MRI計測実験の準備を早急に完了させる予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,信号源推定を用いたニューロフィードバック実験を実現するために,信号限推定の手法やそのオンライン実装,MRIデータの併用による精度向上などに取り組む予定である.
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Causes of Carryover |
購入予定物品の変更などの理由により,次年度使用額が生じた.本研究の遂行には支障はない.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験遂行中に故障した装置の代替品を,2016年度と2017年度に本予算を用いて購入する予定である.
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Research Products
(7 results)